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20190919 プレバト!!俳句紹介【秋の果物屋さん】

2019年9月19日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
全俳句一覧記事は全て更新しております。各人名からリンクに飛びます。
◎は講評の50字要約です。

※俳句甲子園'19の対外試合はこちらの記事を参照してください。

挑戦者→光浦靖子[5],馬場典子[7],森口瑤子[2],向井慧[9],田山涼成[6],藤本敏史[50],横尾渉[34], ※数字は挑戦回数


■特待生昇格スペシャル
●お題:秋の果物屋さん

※番号クリックでリンク内移動します。
 1 才能アリ1位
▸5級
73点
光浦靖子
無花果や苛めたきほど手に懐きいちじくやいじめたきほどてになつき
2才能アリ2位
▸5級
71点
馬場典子
マンションに替わりし八百屋秋夕焼まんしょんにかわりしやおやあきゆやけ
3才能アリ3位70点森口瑤子
唐黍は縦一列をむしり食むとうきびはたていちれつをむしりはむ
4凡人4位67点向井慧
(パンサー)
御供えの父剥く梨の歪さよおそなえのちちむくなしのいびつさよ
5凡人5位65点田山涼成
みせさきを色なきかぜが色つけてみせさきをいろなきかぜがいろつけて
6名人4段で
現状維持
横尾渉
(Kis-My-Ft2)
七色の果実が並ぶ秋の声なないろのかじつがならぶあきのこえ
7名人10段★1へ
1つ前進
藤本敏史
(FUJIWARA)
アップルパイの焼きたての札花鶏来るあっぷるぱいのやきたてのふだあとりくる
→編集後記

◆発表待ちシートで
浜田 特待生?
田山 いやホントに、特待生査定スペシャルに呼ばれたこと自体がとても光栄です。ありがとうございます。
藤本名人 声出てるな~。
浜田 どうなんですか、田山さん。自信のほどは?
田山 あのね~、自信は…あります、あります。
→浜田が田山に押しかけて頭を撫でる
浜田 落ち着け!
藤本名人 ダメダメ、ダメですよ。そこ。
浜田 ここじゃないの?
藤本名人 そこじゃないです、浜田さんダメです。
→田山の頭を叩く浜田
***
浜田 森口瑤子さんでございまーす。ちょっと来るの早くない?
玉巻アナ もしも今回、森口さんが挑戦2回目にして特待生に昇格をされますと、鈴木光さん以来のスピード出世記録となります。
浜田 なるほど。
一同 すごいな~。
玉巻アナ ちなみに、旦那様は「世界の中心で愛を叫ぶ」「カルテット」など数々の名作を手掛ける脚本家・坂元裕二さんです。
光浦 え~、そうなんですか?
浜田 (前回)旦那に作ってもうたんちゃうかという疑惑があったんですよ。
向井 ゴーストライター疑惑がすぐ出るんですよね。
浜田 今日”も”?
森口 今日”も”、前”も”自分で作りました。
浜田 はい。はははっ。
***
浜田 この人はなかなか上がれないんです。案外いい成績取ってんのに。
馬場 なるなる詐欺”で。
浜田 なるなる詐欺、ホントに。ずっと上におるような気がすんだけど、たまにヒョイとこっち(下位)に行ったり。
馬場 余裕の最下位もありましたね。
浜田 ねっ。ちょっとこれ(浮き沈みが)が激しかったっていうのが。
光浦 馬場ちゃんらしいよね。
浜田 馬場ちゃんらしいの?
光浦 なんか、行けそうで行けない(笑)というイメージ。
▲3位は才能アリで森口
向井 才能アリなんだ、3位で。(悔しそうに)3位で良かったよ~、別に~!
田山 そうだね。
光浦 あと2位と1位しかない。痛い痛い、ええ~!
***
※光浦は芸能界屈指の読書家としても知られる
浜田 靖子(やすこ)ちゃんはどうなんですか、自信のほどは?
光浦 ちょっとずつ、分かってきたような…。
浜田 あなたもね、ちょっとずつこう上がっていく。
藤本名人 一番いいよ。
光浦 だから、なんかこう…ゆっくり番組で私を育ててほしい
一同 (笑)
横尾名人 そういうの、大事。
***
浜田 これ、案外向井はね。
向井 実は意外と才能アリ獲ってるんですよ、実は。
→向井は過去8回中才能アリ1位3回、才能アリ2位1回と合計4回の才能アリは今回の挑戦者中最多である
玉巻アナ そんな向井さんなんですが、俳句作りに打ち込むあまり、最近は人付き合いが悪いという噂も立ち始めているようです。
浜田 どうした?
向井 あの~、フジモンさんホントにお世話になっている先輩なんですけど、ご飯誘われたときに、俳句をどうしても作らないとなと思って、フジモンさんの誘いを断ってしまって…。
藤本名人 あの~ショックでした。俳句は後輩まで奪っていくんだと(笑)。凄くショックでした。時間も奪っていくし。
向井 すみません。
→2位発表という浜田に対し、祈るメンバーの中堂々としている田山
浜田 おい、つるっぱげ、何も言えへんのかい。
田山 ドキドキしてる…、ドキドキ…。
藤本名人 近くで見たら(髪の毛)あります。近くで見たらつるっぱげじゃないです。
浜田 お前、それは余計にイジってるやん!「近くで見たらあります」って。
藤本名人 あるんですよ、ちゃんと。
→頭を指さす浜田と藤本名人にキレて立ち上がる田山
田山 毛の話はよして下さい!ドキドキしてんの!
▲2位は才能アリで馬場、先生の解説後に特待生認定となった
***
浜田 当然、1位は特待生です。
向井 そういうことですか。
田山 ホントにドキドキしてる。もう!早く、結果を教えて。
▲4位は凡人で向井
向井 やっちまってる~!
浜田 はははっ。
***
→残るは特待生認定の1位と屈辱の最下位、田山と光浦の一騎打ち
浜田 ふふふっ。
横尾名人 どっち?
田山 自分で言うのもなんですけど、本当に勉強しました。コツコツと。今、68歳ですけど、中学校以来の成長期になっているんですよ(笑)。ここで、この成長を止めないでいただきたい。
浜田 分かりました。
田山 最下位だったら、2度とプレバト!!観ませ~ん!(笑)
藤本名人 「観ません」。「出ません」じゃなくて。
田山 観ません!
藤本名人 「観ません」って。
浜田 光浦さん、どうですか。今までの句を見てきて。
光浦 みんな、パターン化しているな、みたいなね。
浜田 なるほどね。
光浦 うん。うわ~、ごめんなさい。胃が痛い
一同 (笑)
横尾名人 分かる~、分かる~。
▲1位は光浦、凡人の最下位は田山
光浦 お~!やった~! いや~!
藤本名人 いや、田山さん。でも、65点です。凄いんですよ、65点は。
田山 ハァ~…。あ~行かないといけない。
光浦 わぁ~、凄い。やったー。
藤本名人 いや、普段の回だったら、2位とかですよ。
浜田 才能アリなるかもわからん。
玉巻アナ レベル高いです、今日は。
***
玉巻アナ お待たせいたしました。光浦靖子さん、才能アリ1位の席へお願いします。
光浦 やった~、初めて。初めてよ~、1番。
藤本名人 靖子ちゃ~ん!
光浦 嬉しい~。ありがとう~。
→1位席まで移動すると笑顔をふりまき、手を挙げて周囲にアピールする
藤本名人 プリンセスね~、あら~。
***

◎それでは順位別に見ていきます


◆1位 才能アリ73点 光浦靖子
無花果や 苛めたきほど 手に懐き
◎季語の感触を描く一物仕立てが成功。発想にリアリティとオリジナリティ。この人は作家。本当に才能がある。

【本人談】
手に持った無花果(いちじく)の形と重みが、ペット・生き物みたいで可愛い。可愛いからこそ「ベッ」とやりたくなる(潰したくなる)ような感情を詠んだ。

藤本名人 これはねホントにあの~、感性と発想が独特。めちゃくちゃ面白い句ですね。
本人 やった~、ありがとう。

夏井先生 
季語の感触をここまでリアリティーとオリジナリティーを持った表現で書けるのは大したもん。
素晴らしい。ホントに素晴らしい
本人 嬉しい。
藤本名人 めっちゃ褒められてる。
夏井先生 
17音全部使い、季語だけを描写する高度な技法を『一物仕立て』というが、とても難しい。
この一物仕立てで季語「無花果」を見事に描いた
本人の話も良かった。丸み・重さの感触が…。
本人 ペットっぽい。
夏井先生 そう。無防備な小さな生き物みたいな。
本人 なんか、神の領域で見ているような(笑)。
夏井先生 うん、分かる。
藤本名人 「神の領域」?「分かる」? わからないでしょ?
浜田 うるさいなぁ。
夏井先生 
無花果以外の果物で、その感覚を表現するのはなかなかできない。色んな果物があるが。
本人 そう。
夏井先生 
この人は作家。良いと思う。そしてあなたは本当に才能がある
本人 マジでか。
夏井先生 マジです。

浜田 これ直しはなしで良いんですか?
夏井先生 直さないし、久々に期待の特待生だと思う。
本人 いや~、嬉しい!ありがとうございます。
一同 (拍手)
本人 私ね、今年良いこと何もなかったの(笑)。
夏井先生 良かった。
本人 来たね~、良いこと来たね~。
藤本名人 後半にね。

添削なし
●特待生昇格句

◆2位 才能アリ71点 馬場典子
マンションに 替わりし八百屋 秋夕焼
◎非常にきっちりした句。時間と光景を一緒に書き破綻しなかった。過去の「し」も正しい。季語も広がる。

【本人談】
近所にあった大好きな八百屋が数年前に閉店し、久々にその場所を訪れるとマンションに替わっており、寂しさと懐かしい思い出を季語に込めてみた。

藤本名人 物寂しさが「秋夕焼(あきゆやけ)」という季語と相まって凄く良いな~って思うんですけどね。

夏井先生 
藤本名人が言ったように、全体として非常にキッチリと出来ている句。
「マンション」は眼前にある現在の光景。「八百屋」は過去の光景一句の中に時間と光景を一緒に書いて破綻しないのは、なかなかバランスが難しい(がきっちり出来ている)。
過去の助動詞「し」もきちんと使えている
最後の季語が広がり、昔の八百屋の頃の秋の夕焼け、今のマンションの秋の夕焼け。ここは変わらずに季節を刻んでいるのが季語「秋夕焼」の効果になる。
多分、相当勉強したはず。その跡がちゃんと見える
直しは不要。

浜田 え?ちょっと待ってください。先生、これじゃあ馬場さんは特待生になれるんでしょうか?
本人 今、緊張…。
夏井先生 これだけ、キッチリ自分で勉強できる・学べる人は特待生になっても大丈夫だと思う。
浜田 分かりました、ということは…。馬場ちゃん、特待生~!
本人 嬉しい!
向井 出た!凄い。
光浦 馬場ちゃん、行けた。

添削なし
●特待生昇格句

◆3位 才能アリ70点 森口瑤子
唐黍は 縦一列を むしり食む
◎手慣れの句。どうでも良い光景を文学作品にできて着地にも滑稽感がある。広い景色を詠めるかを確かめたい。

【本人談】
トウモロコシはいきなりかぶりついて食べるよりも、縦一列だけむしり取ってハムハムって食べるのが好きだというのを詠んだ

藤本名人 縦一列に食べるのが好き。それがどうしたの?って感じが。
光浦 ええ~。
向井 才能アリですよ、でも。厳しいなあ。
横尾名人 ちゃんと情景が見えてるんで。うちの北山(5級)より、しっかり書けてるな~と思う。
浜田 なるほど、確かに。

夏井先生 
名人の言う通り、それがどうした?という句ではある。
しかし、どうでも良いことを書いて文学作品になるのも俳句の面白いところ。
季語「唐黍」が最初に出てくる。
助詞「は」が結構巧い。他の物は色んな食べ方をするが、唐黍「は」こういう風に食べるという助詞の意味をきっちり分かって使えている。
ただ「食べる」ではなく、「食(は)む」という古い言葉で気取っているのも滑稽感・おかしみがあり、結構手馴れの句かもしれないという匂いはした。」
勿体ない点は1か所。「は」の使い方は正しいが、「唐黍は縦一列を」だと、他の食べ物との違いが強調されるが、「唐黍は”最初は・まず”縦一列を」だとニュアンスが変わる。そこを押さえると完璧だった
「は」を諦めて「まず」と書くだけ。まず、そこから一列食べる。これなら、読みは完全にぶれない。

本人 ありがとうございました。
浜田 先生。森口さん才能アリですけど、特待生というのは?
夏井先生 前回は「仏壇の向日葵」で、今回が「唐黍」だけ。広い景色・大きなものを詠めるかどうか、1回確かめてからにさせてもらいたい。

→今回は特待生認定ならず!
本人 難しい。
浜田 はははっ。

添削後
唐黍 縦一列を むしり食む

◆4位 凡人67点 向井慧(パンサー)
御供えの 父剥く梨の 歪さよ
◎情報量が多い後半はとても良い。上五で供える梨の状態が曖昧。「母に」と明確にすれば父の人物像も浮かぶ。

【本人談】
約4年前に母を亡くして以来、名古屋の実家に帰ると父が「果物を食べるか?」と言ってくれるようになった。父親はあまりやっていなかったため、慣れない梨の皮剥(む)きで形は歪(いびつ)になるが、父の不器用な優しさを詠もうと思った。

夏井先生 
中七・下五はとても良く書けている
「父」という人物・「剥く」という動作・「」という季語・「歪さ」という状態。これだけの言葉に情報を入れて意味を伝えている。ここは強く褒める
勿体ないのは「御供えの」供えていた梨をお下がり戴いて剥くのか、先に剥いた梨を供えるのか。そこ(梨の状態)が曖昧。
ご自身が語った中に良い言葉があった。それを書くだけ、勿体ない。
“母”に供えるんでしょ?
本人 はい。
夏井先生 
なぜそれを書かないの?あなた。ジーンとするシーンなのに。
御」なんて不要。「母に」から始め、「供ふ」(供う)と書く
父は母を亡くし、母に供える梨を慣れない手つきで変な形・歪な形に剥いて供えるという父の想いが全部言える。こうしてたら、今日は才能アリ…間違いない。

本人 うわ~。「父」があるから「母」まで言わなくていいんじゃないかなとか。
馬場 分かる。
夏井先生 言わないと伝わらないよ。
本人 そうですよね。
夏井先生 言いなさいよ。

[ここがポイント]
外せない言葉
※17音しかないので、「父」とあれば「母」を省きたくなりますが、「母に供ふ」とお供えしている状況を述べることで、父の母への想いが伝わります。

添削後
 父剥く梨の 歪さよ

◆最下位 凡人65点 田山涼成
みせさきを 色なきかぜが 色つけて
◎表記の工夫と季語の比喩が陳腐にならないバランスになった。何の店先か不明。明確にして着地も押さえる。

藤本名人 惜しいよ…。
※才能アリまであと一歩だった田山の句。実は色々な工夫がされていた。

【本人談】
駅前に古い商店街があり、そこの果物屋にはいつも"よしず"が立て掛けてある。「果物屋さん、辞めたのかな」と思ったときに、秋の風が吹き、夫婦がよしずを開けた。そのときに、この兼題写真の果実の色が目に入ってきて、老夫婦の店員の顔色も赤みがかって、「あ~良かった。嬉しかった」と思ったときのことを書いた。

藤本名人 これあれです、田山さん。「みせさき」だけで、何の店かわからないですわ。そこですね。

夏井先生 
(藤本名人に)偉い偉い、その通りよ、ホントに。
ただ、この句も決して悪くない。
平仮名で書きながら、「色」だけを漢字にした表記の工夫
秋の風を指す季語「色なき風」が何かに色を付けるという比喩を陳腐にならない程度に抑えて、バランスも考えている。悪くはない。
ただ1点。何の店先かが分かれば、映像が物凄くハッキリ綺麗に出る
この句の場合は、「色なき風」から出発した方が絶対に得
「風」も漢字にした方がカッコいいかもしれない。
「色つけ」と続け、ここからの展開。「青果店」と場所を書き、「明るし」と置く
最後の「明るし」と押さえるか押さえないかも大事。

本人 分かりました。ありがとうございます。
浜田 もう1回チャレンジしますか?
本人 させていただけるんですか!
一同 (笑)

添削後
色なきが 色つけ

★特待生昇格試験★
※横尾は前回1年ぶりに昇格、ジャニーズの俳句王として最高位の4段である

横尾名人 ネットニュースとか見ても、僕出てるのに”北山”だったり”千賀”、ジャニーズWESTの”桐山”とか名前出てくるんです。僕の名前全然出てこないんです。
一同 (笑)
横尾名人 もう、飽きられてたんです。
浜田 あははっ。
藤本名人 そんなことないよ。
横尾名人 スペシャルとか、”千賀”の名前ばっかり。“北山”とか。
藤本名人 千賀ちゃんよう出るわ~。
横尾名人 お~れの名前一個も出ない(笑)。
一同 「お~れの名前」。
浜田 ここで頑張っといたら、大丈夫やって。
藤本名人 トントントンと(昇格して)いったらネットニュースなるねん。
浜田 そうそうそう。
横尾名人 なりたい!

◆『七色の 果実が並ぶ 秋の声 横尾渉(Kis-My-Ft2)

【本人談】
買い物に行くとき、家から商店街に行くまでの間に空気や音の全てで秋を感じ取っているが、店で果実を見た瞬間に改めて秋になることを実感する句になっている。

藤本名人 もう、「七色の果実」が詩人だなっていうのがありますね。僕は凄い気に入りました。良かったね~。
→最後早口で昇格ジェスチャーを指で示す
一同 (笑)
本人 適当じゃないですか~。適当。

夏井先生 
この句の評価のポイントは下五「秋の声」の是非です。

藤本名人 そっち?そっちね。

■査定結果
名人4段で現状維持

理由:季語の理解が浅い
◎前半の展開は良い。秋の物寂しい季語とイメージが合わない。季語を変えて場所も明確に。勉強しようぜ。

夏井先生 
良い所もある。まさに藤本名人が褒めたところ。
七色の果実」。色々な果実の名前を具体的に出すと山のような季重なりになる。色とりどりの果実が並んでいることをいう表現として素敵だなと思う。
問題点は季語。「秋の声」は、風の音・水の音・鳥の声など"秋の物寂しい感じ"をその音からしみじみと感じるのがこの季語の本質。
「七色の果実」は、とても明るく豊かなイメージを持つ詩の言葉。それを描きたいのかなと思うと、寂しい季語が出てくると、読み手はこの句をどう読んだらよいかキョトンとしてしまう
季語は、秋のよく晴れた日を指す「秋うらら」や、秋風が吹き心地よい気分の「秋さやか」とアレンジしても良い。
さらに「が並ぶ」が説明的で気になる場合、「店先の」と場所を示すことから始める。豊かな感じが出るはず。
浜田 勉強なる。いいな。そっちがいいわ。
夏井先生 勉強しようぜ!(笑)

本人 はい。
浜田 なあ、横尾君。

添削後
の 果実七色 秋
『七色の 果実が並ぶ 秋
『七色の 果実が並ぶ 秋


★永世名人への道★
※現在名人10段の4人の中で、唯一星を獲得していない藤本名人。熾烈な争いが続く。

藤本名人 村上(10段)もよく誘うんですよ、食事とか。
浜田 はい。
藤本名人 あの、(タイトル戦を)春・夏連覇してから1回も誘ってません
一同 (笑)
向井 器ちっちゃ!
光浦 小せぇ。
藤本名人 嫌い…嫌いになりました

◆『アップルパイの 焼きたての札 花鶏来る 藤本敏史(FUJIWARA)

※季語「花鶏(あとり)」は秋にシベリアから来る渡り鳥のこと。黄褐色の羽毛を持つのが特徴的である。

【本人談】
パンが好きでよくパン屋に行くが、店員が「フランスパン、焼きたてです」等と言って店の後方から出てくる。店内に並ぶと「焼きたて!」と書かれたPOPが出る。自分が好きなアップルパイの焼きたての札が出ていた(※1)。季語は「小鳥」でも良いが、アップルパイはおしゃれなお菓子のイメージ(※2)。

※1
本人 アップルパイ、焼きたてのアップルパイ
浜田 アップルパイよう言うな~、お前さっきから。
本人 アップルパイですもん。アップルパイ俺の一番推したいところですもん。
浜田 あははっ。

※2
本人 だから、アップルパイ…。
浜田 もうええよ! もういい!アップルパイは。
向井 すっごい、推してくる。

夏井先生 
この句の評価のポイントはここ…「アップルパイ」の(是非です)…。
→「アップルパイ」に聞き飽きた浜田が遮る

浜田 (机をたたいて)言うなて!
一同 (笑)&(拍手)
本人 ほらほらほら。
浜田 言うなて!
本人 ほら。
浜田 段々先生も笑い分かってきたよね。
向井 素晴らしい。
本人 言った後の顔もイイ!

■査定結果
名人10段★1へ1つ前進

理由:秋の豊かさが香る
◎シベリアからの渡り鳥を表す季語が良い。「札」で店先とわかる。上五は季重なりを避けて韻も押さえた。

本人 嬉しい!マジで? いや~、1ランク アップルパイ!

夏井先生 
アップルパイは横において、季語の説明から。
花鶏(あとり)」は秋の季語。秋にシベリアから来る渡り鳥。15cmくらいの大きさの可愛い鳥
この季語を押さえた上でアップルパイを見ていく。
アップルパイの焼きたて」でまさに今焼きたてであると。香ばしい香りがしてくる
の札」で「店先」などと書かなくてもパン屋は見えてくる。これが分かっているのが名人
本人 ね~、そうですよね~。
夏井先生 
本人も言ったが、季語は「小鳥・小鳥来る」でも確かに句は成立するが「花鶏」の方が秋らしい気分の色
アップルパイの「林檎」は秋の季語となる。秋の実りの豊かな感じが香ってくる
「アップル」「花鶏」と「あ」で小さな音を押さえている

本人 ありがとうございます。
浜田 先生、これ当然、直しは?
夏井先生 いりません。
浜田 1つ前進でございます。星1つ獲得。

添削なし

編集後記
今回の兼題写真は「秋の青果店」。無花果(いちじく)、桃、小玉西瓜(すいか)、柿、林檎、梨、檸檬(れもん)と季語ばかりの果物が並ぶ写真でした。以前のタイトル戦の予選「春の鮮魚店」のバージョン違いですね。
この特待生昇格SPは企画としては2度目。前回は「蛇口」が兼題でしたが、唯一馬場さんのみリベンジ。他の4名は候補生ということで挑戦しました。
1位で見事に先生の太鼓判を貰ったのは光浦さん。滑稽な発想が特徴的ですが、今回は「苛(いじ)め」の使い方が上手く、普通に使うと人間関係のネガティブな面が出る難しい動詞ですが、季語の比喩に用いてまとめました。しかも、五感の中でも触覚に着目したのが独創的で、(この触覚の点で)一物仕立てに挑戦したのは、現在の特待生でもいらっしゃいません。過去にも「砕く」「割れ」「撃たれ」「よろめく」と強い意味のこもった動詞を用いましたが、今回は先生とも親和性がかなりあり、村上名人以来のべた褒めといっても過言ではありません。
2位も特待生認定となったリベンジ成功の馬場アナ。時間の経過でかつての建物や風情があったものが現代の無機質なものに変化してしまったという負の心情が季語ともマッチしていました。「秋夕焼」はすっかりお馴染みの季語で番組10回目の登場。うち7回は高評価(才能アリ・昇格・前進のいずれか)で、他は鈴木梨央さんの凡人60点と中田名人が2度とも低評価に沈んでいますが、才能ナシはありません。
3位も才能アリとなった森口さん。スピード出世という表現には番組的な演出も大きいと思いますが、この句も唐黍の一物仕立てと考えて良いのでしょうか。2句とも季語の描写に徹しているような印象でしたが、語彙力はありますね。全俳句一覧でも書きましたが、初回に向日葵の季語を用いて亡き親族に思いを馳せる点では筒井真理子さんの初回査定と同じ。ですので、筒井さんにもチャンスが欲しい所ではあります。
4位はパンサー向井さん。若い人物の描写が多く、9回目となる今回は、初めて「親」を詠んだ句で、呼びかけの「よ」が用いられました。梨をぎこちなく剥くという発想の方向性も良く実感がありました。上五で光景は分かりますが、読みを迷うという問題点を指摘されました。向井さんは季語を含めた名詞3つ、動詞1つ、助詞「の」を必ず用いるため、取り合わせの情報量が多くなりがちな特徴があります。違う句風も見たいところです。
最下位は田山さん。「土手青む」の句で自身の人生観が出ており、渋い句を詠む印象が強い方ですが、ほぼ平仮名という異なる方向性で勝負しました。しかし、語った「よしず」の話は面白く、字面と随分意図が離れているようにも感じたのが残念でした。謙虚な姿勢でコメントも多く使われているので、リベンジを果たしてほしいです。
特待生昇格試験は2名人の挑戦。
横尾名人は「七色の果実」で季重なりを避けました。兼題写真にも7つの果物が並んでいましたが、写真を見ていない人にはキスマイの大好きな”虹”とも思われてしまいます。「秋の声」はコメントもいただきましたが、成功例は河中あいさんが離婚届のお題で詠んだ「区役所で秋の声聴くソファ席」の一句のみ。精神的に負担がありそうな印象でしたが、自由な発想で一度伸び伸びと詠んで欲しいところです。
藤本名人は50回目の挑戦でしたが、大好きな「アップルパイ」を連呼してパン屋での一場面を切り取り、「花鶏」という季語と良い距離感で取り合わせました。フジモンワールド全開という感じで、久々の高評価でした。他の俳句へのコメントも正誤はともかく目の付け所はいつも夏井先生に褒められます。俳句のランクで芸人同士の人間関係をも変えてしまうのは酷ですが、村上名人と和解してもらいたい所です。

【追記】
コメントありがとうございます。一物仕立てはご指摘頂きました通り、石田さんやジュニアさんも過去に挑戦し、夏井先生に解説されていますが、触覚に着目した点では初めてではないかという意味合いで記述したつもりでした。該当箇所、修整致しました。

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Re: No title

コメントを早くも頂きありがとうございます。

鍵付コメントにて頂きましたご指摘につきましては、
後日、別記事にてお返事致しますのでしばらくお待ちください。

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No title

「秋の声」は、確か同じメンバーの二階堂さんも使ってましたが凡人に沈みました。
それ以外は、三戸なつめさん、江口ともみさん、河中あいさんなどが使っていましたが、才能アリをとったのは河中さんだけだったと思います。

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