相田翔子の全俳句一覧

「プレバト!!」で披露された女優　相田翔子の全俳句一覧です。
通常挑戦者　相田翔子(あいだしょうこ)　合計7句

成績(2022年2月17日時点)
<通常挑戦者時代>才能アリ3回、凡人3回、才能ナシ1回
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→人物紹介

◎全俳句目録　(番号クリックでリンク内移動します)

1	才能アリ	初恋と秋の陽香る古書百円
2	才能アリ	不夜城の孤独にまとう毛皮なり
3	凡人	ミツバチがジョウロ持つ手でひとやすみ
4	才能ナシ	取りそこね流るる秋刀魚や箸むなし
5	才能アリ	抱き寄せて湯に浮く柚子の舟となる
6	凡人	晩春や座して止まらぬ筆とガム
7	凡人	早春の朝寝間着恥ぢらひ捺すはんこ

▼人物紹介

「プレバト!!」では初回に才能アリを獲得した女優。1988年にデビューし、現在活動休止中のアイドルデュオ「wink」のメンバー。初回出演時に、「小説ばかり読んでいて2作執筆しているため自信がある」と語り、見事に添削なし1位を獲得。月間賞をも勝ち取った。
句の特徴は楽しく明るい表現に隠されたネガティブな心情描写。淡い心情を表現した思いのこもった句も特徴の一つである。成功句は本人の意図とも合致していると称賛を受けるが、助詞の候補を示されることがある。また、擬人化による表現が成功する場合もあるが、捻りすぎて失敗する例も見られる。
初挑戦で才能アリ獲得後、LINEでも「凄いね～」「おめでとう」と友人から連絡があったことを告白。それ以降プレッシャーを抱えていると語っている。
天然キャラの扱いを浜田から受けており、発表前の談話でも不思議な会話をすることが多い。
最近は、特待生候補と期待されながらもなかなか結果が奮わずに苦戦していたが、見事に3度目の添削なし才能アリを獲得。先生から「これは詩人。本当に素敵な一句」と大絶賛を受け、特待生認定を手繰り寄せつつある。
しかし、最近の出演では凡人査定が続き、結果を出せずに終わっている。


●[1]お題：古書店街
『初恋と秋の陽香る古書百円』才能アリ1位72点

添削なし
2018年9月月間才能アリNo.1俳句選出

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季語は「秋の陽」。淡い恋をしていた頃、憧れの人が古本屋で買った本で家中の壁の本棚が埋まっていた。古本屋に行くと貧しかった時のそのことを思い出し、古書店独特の匂いがする一方で、思い出の一冊を探し出すも100円という価値に切なさを感じるという情景を詠った。梅沢名人は「『初恋』『古書百円』の2つを組み合わせたのが本当に素晴らしい。世界がよく見える」と絶賛。先生は「詩心があり、とてもセンスのある一句」と評し、古書の匂いを「秋の陽」の匂いと受け止める感覚が詩になっていると褒める。前半の表現で、美しく上品なものが出てくるかと思うと、下五の表現によるささやかなギャップが読み手を唸らせると解説。俳句的表現として、上五は「初恋や」とする可能性も考えられるが、この句では、「初恋」「古書」が並列で並べられる点が良く、下五によって季語がしみじみと読み手の心に押し寄せることで静かな感慨を感じると語り、その点を考えて「初恋と」にしたのではと作者の意図をたどる。上五を強調すると全体のバランスが崩れるとし、添削なしの評価を得た。

●[2]お題：銀座のイルミネーション
『不夜城の孤独にまとう毛皮なり』才能アリ1位71点

添削なし

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季語は「毛皮」。発表待ちシートでお題について問われ、人間の心の機微や切なさといった色んなドラマがあり、街中を歩く人の後ろを流れる"毛"みたいな…それぞれの"毛の物語"と意味深に浜田に返した。自信ありと語った句は、眠らない真夜中の煌びやかなネオン街を歩くが、心は寒く毛皮の衣類で温まるのが銀座に似合うという心情を詠んだ。「自分の言いたいことが言葉として選び取られている」と評す先生は、3つの名詞が置かれるべき位置に置かれ、読者の脳内に映像が再生される言葉選びだと称賛。添削できる要素は中七の「に」で、"孤独に対抗するかのように毛皮を着る"という意味になるが、「を」とすれば、"孤独を意志的に背負うかのように"という全く異なる意味になると解説。本人談での判断を受けるも、見事2連続添削なしの才能アリを勝ち取った。

●[3]お題：春のベランダ
『ミツバチがジョウロ持つ手でひとやすみ』凡人4位55点

添削後
『ジョウロ持つ手に蜜蜂のとまる朝』

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季語は「蜜蜂」。ベランダでの水やりの場面で、ミツバチが10分ほど手に止まり、刺されるのではという大変怖い思いをした。よく見ると触角をいじりだしており、春の訪れを感じた素直な気持ちを詠んだという句。先生は「素直だが他愛なさすぎる」と評し、実体験とわかり納得がいったと語る。下五が安易な擬人化で素直すぎると指摘し、状況がよりわかるようにと語順を入れ替える。さらに、片仮名表記の季語は図鑑のイメージが強いため、意図があるときだけそうすべきと解説し、漢字表記に直した。余った音数で時間情報を添え、明るい空気を醸し出す添削に、本人も「すごーい」と納得した。

●[4]お題：回転寿司の秋刀魚
『取りそこね流るる秋刀魚や箸むなし』才能ナシ5位(最下位)30点

添削後
『箸むなし秋刀魚の皿を取りそこね』

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季語は「秋刀魚(さんま)」。前回はシンプル過ぎたため、最下位でも後悔ないほどひねって詠み、「これだ！」と自負して涙が出るほど感動したと語った作品。回転寿司のレーンが流れるワクワク感から、秋刀魚のネタが来る様子を目で追っていたが、他のネタを食べているうちに過ぎ去ってしまい、手元を見やると箸が空っぽで、秋刀魚を食べたかったという虚しさの心情を詠んだ。志らくは「捻りすぎて元に戻った。当たり前の光景。『むなし』は不要」と指摘。先生は「読み手がキョトンとする句」と評し、兼題写真を見れば作者の意図は想像できるが、字面だけでは、秋刀魚漁で魚を取りそこねた光景だと誤読され、漁場の光景から下五で食卓の光景にいくのは飛躍しすぎだと指摘。先生は「むなし」を許容して本人をなだめ、語順を変えた方が伝わりやすいと忠告し、「皿」で回転寿司の状況を明確にして添削し、「捻りすぎて普通の場所に着地した」と志らくの意見に同調した。放心状態の本人に、同じく才能ナシの森昌子から「泣かないで」と慰められるも、本人は最下位にショックを受けていた。

●[5]お題：冬のお風呂[冬の入浴]
『抱き寄せて湯に浮く柚子の舟となる』才能アリ1位72点

添削なし

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季語は「柚子」。下五「舟となる」の表現を使いたいと思った句は、入浴時に柚子を湯船に浮かばせるとぎゅっと抱き寄せたくなり、自分が舟になったようで柚子がポカポカと体の上に浮かぶという心情を表現。先生は「感覚が本当に詩人」と絶賛し、「抱き寄せて湯」で危ない方向を思わせるが、季語で引き戻されると解説。上五は大袈裟な表現に思うが、「舟となる」の詩の言葉と非常に良いバランスにあると称賛する。さらに、動詞の多用は大概失敗すると前置きし、「抱き寄せ」「浮く」「なる」と入れながら、ドタバタ感がどこにも無いと評し、破綻させない技術も褒め、「本当に素敵な一句」とウットリする先生。3度目の添削なし才能アリを勝ち取った。

●[6]お題：ボトルガム
『晩春や座して止まらぬ筆とガム』凡人3位55点

添削後
『春夜ガム噛むひたすらに筆走らせ』

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時候の季語「晩春」は三春の最後の季節。春の終わりの切ない夕方から夜にかけ、机に向かってただひたすらに筆を動かす。その横にはボトルガムがあり、ひと粒ずつ食べて夜が明けていくような、静かな時間と集中の様子を表現したと語った。梅沢名人は「着眼点は良いが、勿体ない言葉が2つある」と鋭い。「座して」と書かなくても書く動作が伝わる、「筆とガム」はどちらかにすべきだと指摘し、先生も意見に同調。「筆」を持つ段階で座っている様子が読み手に伝わる点と、「筆」「ガム」を並列にするとどちらを強く言いたいのか、焦点がぶれる点を指摘する。さらに季語「晩春」の時間軸が長すぎる点も指摘し、1か月間ずっと座して止まらずに筆とガムを食べるのには無理があると語る。季語は「春夜」に修正し、中七は全て書き換え。「春夜ガム噛む」と畳みかけ、「ひたすらに」で一生懸命集中して書く様子を描写し、「筆走らせ」と整えた。添削後であれば才能アリには行けると先生が語り、本人も添削に「素敵～」と応えた。

●[7]お題：宅配便
『早春の朝寝間着恥ぢらひ捺すはんこ』凡人4位50点

添削後
『早春の朝や寝間着で捺す判子』
『朝や春寝間着のままの受領印』

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季語は「早春」。宅配業者が訪れた際の自分の動作を書き、割と急いで寝間着のまま慌ただしい雰囲気を表現したと語った。東国原名人は「恥ぢらひ」を書く必要がない点を指摘。先生は、実感を素直に書いているのが良いと褒める。ただ、俳句として一番損なのが「恥ぢらひ」を書いた点で、お家の人は恥じらっているのかもしれないし、ズボラな感じかもしれないことを読者に想像させるべきだと指南。「早春の朝」を活かし、「や」を入れて「寝間着で捺す判子」と漢字で締めて整えた。一方、兼題写真がなければ、「離婚の決心がついた」など判子の種類が特定できない問題点もあると指摘し、「受領印」を用いて「朝や春寝間着のままの受領印」と添削した。才能アリを獲得した二階堂から「いや～マジ、ドンマイって感じですね」と余裕綽々の台詞をかまされてしまった。