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【炎帝戦決勝】20190725 プレバト!!俳句紹介【夏の波紋】

2019年7月25日放送 プレバト!! 俳句炎帝戦決勝結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし優秀者のみが参加を許される群雄割拠な争いの俳句タイトル戦・決勝戦。
夏の季節に行われる第3回炎帝戦・決勝で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
炎帝戦予選の詳細はこちら。
▼過去大会は以下のページから。
第2回 俳桜戦 / 炎帝戦予選炎帝戦決勝 / 金秋戦予選金秋戦決勝 / 冬麗戦予選冬麗戦決勝
第3回 
春光戦予選春光戦決勝

※タイトル戦データはこちらのまとめ記事も

[挑戦者]
名人→梅沢富美男[80],東国原英夫[48],村上健志(フルーツポンチ)[35],藤本敏史(FUJIWARA)[48],横尾渉(Kis-My-Ft2)[33]
予選通過者→千賀健永(Kis-My-Ft2)[30],千原ジュニア[39],皆藤愛子[8]
予選敗退(番外)→ミッツ・マングローブ[24]
※数字は挑戦回数


●お題:夏の波紋(水面に緑が映り込み水紋が広がる写真)
※順位クリックでリンク内移動します

1位村上健志
(フルーツポンチ)
名人10段★1行間に次頁の影夕立晴ぎょうかんにじぺーじのかげゆだちばれ
2位梅沢富美男名人10段★2鯉やはらか喜雨に水輪の十重二十重こいやわらかきうにみずわのとえはたえ
3位藤本敏史
(FUJIWARA)
名人10段プール開き前のプールに水馬ぷーるびらきまえのぷーるにあめんぼ
4位東国原英夫名人10段★1飛び込みの波紋広がりゆく木陰とびこみのはもんひろがりゆくこかげ
5位横尾渉
(Kis-My-Ft2)
名人4段父語る敬遠五つ夏の雲ちちかたるけいえんいつつなつのくも
6位皆藤愛子5級ソーダ水睫毛に跳ねる泡涼しそーだすいまつげにはねるあわすずし
7位千原ジュニア1級破れ傘雨後の雫を垂らしけりやぶれがさうごのしずくをたらしけり
最下位千賀健永
(Kis-My-Ft2)
1級ギムレット風死する夜に鳴る淡海ぎむれっとかぜしするよになるおうみ
番外ミッツ・マングローブ3級50のターンひた蹴る裸の浮くを待つごじゅうのたーんひたけるはだのうくをまつ

[順位発表順] 3位→6位→5位→7位→最下位→4位→番外→2位→1位
→編集後記

◆挑戦者談話(VTR)

梅沢名人 
何が何でもタイトルは私が獲らないと。全国、全世界中の人が観てる。
私がやっぱ優勝するのがテレビとしてはね~、一番映えますよ!
(村上名人を)今回で谷底に落としとこうかなと思ってますよ。
村上名人 
前回でも(梅沢名人に)「負けました」と言わせましたので、今回もその言葉を聞きたいです。2連覇…します

◆発表待ちシートで
※スタジオは予選突破した3名の特待生(1位千賀・2位千原ジュニア・3位皆藤はいずれも下段席)5人の名人(梅沢名人・東国原名人・村上名人の肖像画の3名が上段席、藤本名人・横尾名人が下段席)が挑戦者シートに座り、司会席を挟んで左手に敗退者6名が座って戦況を見守る形で進行

玉巻アナ 決勝戦は5人の名人と予選を勝ち上がった3人の特待生の合計8人の精鋭で行う頂上戦です。
浜田 (タイトル戦覇者の肖像画を)はい、見てください。上の絵は名人ばっかりですから。
→春:村上名人 夏:梅沢名人 秋:梅沢名人 冬:東国原名人
千賀 やっぱ強いですね~。
浜田 あそこに違う写真が入るのが良いですよね~。いま、梅沢さんがおられるあそこ(夏)が誰かに変わると。
梅沢名人 私です!
一同 
梅沢名人 私はホントに色んな地域の方にですね、プレバト!!に出過ぎじゃないかと。はい。じゃあもう出るのやめようと。
浜田 うん。
→観客席から悲鳴が上がる
梅沢名人 みんなが私の地位に上がってくるまで待ってようと。
浜田 なるほど。
梅沢名人 ところがコイツら誰も上がってこないので。
藤本名人 はは、腹立つ~。
梅沢名人 満を持して炎帝戦に出てまいりました。
浜田 なるほど。
梅沢名人 渡しませんよ!
浜田 あそこの地位はね。
梅沢名人 当たり前じゃないですか。
浜田 そらそうです。
梅沢名人 名人ですよ。名人という言葉は私1人
浜田 (遮って)名人10段、東国原英夫さんでございます。
玉巻アナ 現在は冬の肖像画だけですが、過去8回のタイトル戦で4回優勝されています。
梅沢名人 怖いですね。
浜田 すごいですね。
東国原名人 下(下段席にいる肖像画にない5名の挑戦者)はもうね、無視です
浜田 下は無視!?
→観客席から「え~!」という声が上がる
東国原名人 もうこの3人です(梅沢・東国原・村上の3名人)。ポンチ君(→村上名人の呼称)がバーッと上がってきている。
浜田 春の絵は腹立ちますよね~。
→春の村上名人は満面のニヤケ顔
一同 
村上名人 いい顔してるじゃないですか。
玉巻アナ ちなみに特待生鈴木光さんと皆藤愛子さんが憧れの名人として村上さんの名前を挙げていらっしゃって。
浜田 え?2人とも?
村上名人 皆さん、多分いい成績を収めたくて俳句作ってると思うんですけど、僕は人生の一部なんで。
→浜田が吹き出す
藤本名人 違う、お前俳句の仕事しかないからだろ。
一同 
村上名人 やめてよ。やめて。
***
玉巻アナ 査定結果はこのようになっています。
今回の優秀句は上位4名と発表
玉巻アナ さあでは、まずは何位から見ていきましょうか。
浜田 3位!
→特待生らが動揺する
東国原名人 最下位からいこうよ~。
▲3位は藤本名人
藤本名人 よっしゃ~!いいよ~。いいよね~?最近悪かったからいいよね~?
→梅沢名人が1位を狙っていないフジモンの発言に不満そうな顔をする
***
浜田 さあ横尾は?
玉巻アナ 横尾さんは前回の出演で1年ぶりの昇格を果たしまして、今次々と発想が沸いてくる絶好調な状態だそうです。
横尾名人 そろそろ1位獲っても良いんじゃないかなと。
浜田 なるほどね。
横尾名人 はい、なので今回1位獲れなかったら予選から参加してもいいのかなと思うんですよ、次回。
ジュニア え?
→観客席も驚きの声
横尾名人 それぐらいの気持ちで作りました。
浜田 さあ、千賀はどうでしたか。
千賀 予選を1位で通過したの初めてなんですよ。今回、予選も本戦も結構自信がある句が出来ました。
▲6位は皆藤と発表
***
石田 これちょっと波乱あるんじゃないですか?来るんじゃないですか、もしかしたら。
千賀 やびぃ~(やべぇ)。
石田 千賀君あるんじゃない?
千賀 うぃ~す!
一同 
藤本名人 どういう…。
横尾名人 どういうことですか?
ジュニア 今何て言ったの?
東国原名人 ほんと最近ね、決勝戦難しいわ お題が
梅沢名人 わたくしも初めてね、お題を頂いた時にこれは難しいなって感じました。
浜田 あ、そうですか。
梅沢名人 No.1、No.2が言ってるんですから、コイツらはろくなやつ(俳句)作れないでしょ!…うん?

・・・・・

→浜田も相手をせず、沈黙がスタジオを支配する
石田 せめて誰か相手してあげて下さい!
一同 
松岡 無視は良くない。
梅沢名人 お前らホントに…付き合えよ!
石田 おじいちゃん。
藤本名人 おじいちゃんがまた喋ってるぐらいの感じでみんな…。
石田 おい。
梅沢名人 誰でこの番組持ってると思ってるんだ!お前。

・・・・・

梅沢名人 言えよ!
一同 
梅沢名人 何か、言えよ!
浜田 早速いこう!
▲5位は横尾名人
石田 安定やな。
横尾名人 安定して4~5位ですね~。
梅沢名人 どうしたの?
石田 安定してるな~。
***
▲7位はジュニアと発表
ジュニア う~ん、そうやね。
***
※残る4人はいずれもタイトル獲得経験者
玉巻アナ 続いてはどうしましょうか?
浜田 うーん……。
梅沢名人 うん。
千賀 はぁ。
村上名人 ふぅ~。
浜田 最下位かな。
藤本名人 うわっ。
東国原名人 トラウマ…トラウマだぁ~。
※東国原名人は昨年の炎帝戦で最下位のみそぎを受けた
→梅沢名人だけが堂々とした振る舞いを見せる
▲最下位は千賀と発表
一同 あ~。
***
※残り3名となっての会話は下の優勝者予想の項目へ
浜田 4位!
村上名人 うわ~、1位・2位残しかよ。
東国原名人 まあいいわね。
▲4位は東国原名人
梅沢名人 ここへ来たか!
ジュニア そうなんや!
北山:まさか。
藤本名人 ああ~、え~?
ジュニア あれ?これ村上(の優勝)あるな。

◆敗退者の優勝者予想
志らく石田北山ミッツ松岡パックン
千賀梅沢千賀東国原村上以外

千賀 やった~!ありがとうございます。
志らく 生涯にホームランを15本しか打てないバッターでも2打席続けて打つってことがあるんですよ。
千賀 いや、ちょっと待って。喜んでいい話なんですね?
玉巻アナ 石田さんも千賀さんを。
石田 はい。
梅沢名人 俺の名前を出さないの最低だぞ。次回からこの番組出れると思うなよ!
石田 そんな権力あんの?
志らく あははは。
***
※タイトルホルダーの3名が残っての優勝者予想と意気込み
浜田 さあ、こちら(敗退者)の皆さんどうでしょう。このメンツ。
石田 いや、名人すげぇな~。
松岡 分厚いっすね、やっぱ壁が厚い。
浜田 石田君、どう思われますか?
石田 東国原さんに僕はいってほしいと思いますね。
浜田 志らくはん、どうですか?
志らく うん、やっぱり(梅沢)御大がいくんじゃないんですか。
浜田 松岡、どうですか?
松岡 いや~、フルポン(村上)さんだけにはいってほしくないですね~。
村上名人 なんでなんすか?
松岡 ちょっと、イラっとします
藤本名人 わかる~。
松岡 あそこ(肖像画)にだってまた増えるってのは…
浜田 まぁ、確かにね。
松岡 見たくなくなりますもん。
浜田 アハハハ。
梅沢名人 よく言った!ポンチには負…負けませんよ
浜田 いや、噛んだやん!
梅沢名人 はい。
一同 
浜田 負けたくないのはポンチ君ということで。
梅沢名人 私はもう順位分かりますよ。最終的には私が優勝して初めて、プレバ…プレバトという…。
一同 
浜田 何でそこ噛むかな~。
藤本名人 ちょっと緊張してるやん。
梅沢名人 久しぶりだから緊張するんだよ!
浜田 東さんどうですか?
東国原名人 もうね、芸能界で言ったら…
梅沢名人東国原名人村上名人
松尾芭蕉与謝蕪村小林一茶

浜田 あら!
東国原名人 松尾芭蕉はピークを過ぎてます!
→急におもろい顔になる梅沢名人
浜田 なるほど。
東国原名人 もう円熟味に入ってますから、ここは僕らが1位を獲りたい
浜田 なるほど。
梅沢名人 うん。
東国原名人 小林一茶は…ダメ!
→えっ?という顔の村上名人
梅沢名人 画にならないじゃないですか、コイツが優勝したら!視聴率下がりますよ!
一同 
浜田 村上はどうなの?
村上名人 いや、もう世界を美しくしたいなという気持ちだけで俳句を作ってますから~。
僕の俳句を通して。もうそろそろ「情熱大陸」(の取材が)来ると思いますよ!

◆1000万円の時計

※いよいよ梅沢名人と村上名人の直接対決となってから事件は起きる

浜田 梅沢さんが優勝なら炎帝戦2連覇。村上なら春に続き、タイトル戦連続優勝
梅沢名人 まあまあ、ありがとうございます。ホントにこういう演出をしていただいて
一同 
梅沢名人 もう、テレビを観ている方が万歳三唱ですよ。
藤本名人 はははは。えっ?
浜田 そうですか。
梅沢名人 なぜかと申しますと、前回(春光戦)私と2人が残って私負けましたよ。今回は、「オッ!同じような演出じゃないの?」って言って私が優勝!ふふっ…
浜田 お前、何笑うてんの?
一同 
石田 「お前」はやめて下さい。
浜田 村上はどう思われます?
村上名人 今回、気迫が本当に入ってまして
梅沢名人 誰でも入ってんだ、バカヤロー!
一同 
梅沢名人 タラタラやってるヤツなんて1人もいないんだよ!
村上名人 いや、今回申し訳ないですけど、御着物気付きませんか?
梅沢名人 何が?
村上名人 王者には王者にふさわしい着物が必要だろうということで、スタッフさんに言いまして、これ皆さんと違う特別なやつです。はい。100万円くらいする(大島紬)やつです。
観客席 え~!
浜田 マジ?
村上名人 王者はそれだけの権利があると思います。
ジュニア そやな!
玉巻アナ うわ~すごい。
浜田 (梅沢名人に)着物はおいくらくらいされるんですか?
梅沢名人 これ150万(円)。
観客席 お~!
村上名人 今回また獲ったら次回は時計。今度王者にふさわしい…。
浜田 そっか、いつもねぇ、ええのん…。
→腕時計をひけらかす梅沢名人
ジュニア それなんぼするんですか?
梅沢名人 1000万(円)。
一同 えぇ~!
浜田 (拍手して)素晴らしい。
藤本名人 勝ったらあげたら?
村上名人 勝ったら貰えるって…。
梅沢名人 誰が?
村上名人 イヤですか、それ?
藤本名人 ねぇ、勝ったら?
浜田 ハハハ。
藤本名人 自信あるんでしょ?梅沢さん1位。
梅沢名人 あるに決まってるだろ!
ジュニア じゃあ、万が一あれば。
梅沢名人 負けるようなことがあったら、くれてやろうじゃねえか!
一同 えぇ~!!
藤本名人 1000万でしょ~!めっちゃドキドキしてるんちゃいます~?
***
浜田 今年の炎帝戦を制した第1位はこの人!
パックン まじですか?
藤本名人 え?
ジュニア どっちや?
藤本名人 どっち?

優勝は村上名人

村上名人 (立ち上がって)やった~!やったよ~!
一同 拍手
浜田 第2位は梅沢富美男~。
千賀 うそ?
ミッツ やっちゃった。
梅沢名人 テメー(スタッフ)ら、変えたな。急に。
藤本名人 そんなことないでしょ。
浜田 「変えたな」って、変えるわけないでしょ。
藤本名人 負けてますやん。
浜田 村上はちょっと勢いが。
***

●それでは順位別にみていきます
◎は講評の50字要約です。

1位◆『行間に 次頁の影 夕立晴 村上健志(フルーツポンチ)
◎時間経過を持つ季語の効果で上五が化学変化を起こし映像の言葉に。見事な表現力。半径30cmで作れる人。

梅沢名人 ほう。
ミッツ 綺麗。

【本人談(原文ママ)】
これはホントに自分が電車に乗っている時に本を読んでいたんです。そしたら…こう、文と文の間の行間ですね、そこに次のページの影がスッとこう入ったんですね。「あっいいな!綺麗だな」。その影に気づくと、まわりの明るさに今度は気付くわけですね。さっきまで降っていた雨がすっかり止んで…晴れていると。小さなことを発見するってのは、それ以外の…大きな世界を広げるんだなっていう典型的な俳句かなっていう。
→女性客が苦笑する

浜田 御大…これはどうでしょう?
梅沢名人 やられましたね
ミッツ おっ、素直。
梅沢名人 この中七、たまらない!
浜田 「たまらない」、ハハ。
梅沢名人 確かにそうですよ。よくこんな上手い句読めたな。大したもん。でもお前…この…ポッチンお前全然詠んでないじゃねえか
本人 いや、「波紋」と来て「雨」っていうのは簡単な連想じゃないですか。
→見事な切り返し。「喜雨」を題材にした梅沢名人を遠回しにディスる。
梅沢名人 だってお前!
藤本名人 ポッチン」って何なんですか?
梅沢名人 「波紋」で勝負してほしかったよ、俺は。

夏井先生 
これは「やられたな」という感じがする。
まずいきなり「行間」が出てくる。意味が2つある。

【行間】
文章や会話の間の「行間を読む」
②印刷物の行と行のあき

俳句で「行間」とくると、①の意味を読み取る・嗅ぎ取る、そういうことを言いたいのかと思いながら中七に行く。
次頁(じぺーじ)の影」。これは②のありありとした映像を詠んでいるのだと。
「行間」という言葉が”化学変化”を起こして映像の言葉になってくる
その言葉の化学変化を起こしているのが「夕立晴(ゆだちばれ)」という季語
さっきまで、暗く激しい雨が降っていた。行間にページの影なんて全然見えなかったのに、影が美しいと思う。何でかと思うと「あっ!晴れている」と感じる。ということは、ずっと没頭して本を読んでいたに違いない。
見事な季語の使い方
今までこの人は半径1m以内で俳句を作る人だと思っていたが、ここまでくると眼球30cmの半径でこの人は俳句が作れるのかと思った。
直しは当然要らない。

横尾名人 すごいなぁ。
→梅沢名人も悔しそうに俯く
浜田 というわけで、皆さん。2019年夏の炎帝戦を制したのはフルポン村上さんでございます、ワンツー(2連覇)でございました!おめでとうございます。
→目をパチパチさせて喜ぶ村上名人

添削なし

2位◆『鯉やはらか 喜雨に水輪の 十重二十重 梅沢富美男
◎立派な句で季語が良く「やはらか」の表現も上手い。下五もゴチャコチャしない決意がある。静かで豊かな句。

本人 うそ?半端ない自信があったんですよ。

【本人談】
「喜雨(きう)」がポイント。非常に雨の少ない夏は池の水が少なくなる。雨が降ってくれたので、鯉がゆったり集まっていて水輪になっている。「十重二十重(とえはたえ)」は鯉が喜んで、「やっと雨が降ってくれた」。映像から音から全部入っている。

本人 これは!夏井!何で2位なんだ!お前。えっ!?
東国原名人 「やはらか」ってのが、僕は凄いなと思います。鯉を「やはらか」と表現するかと。このなんかね…格式があるんですよ!歳だな~って感じですよね、何かね。それが侘び寂び(わびさび)に出てきてるので、良い歳の取り方していますよね。
村上名人 ホントに僕がいなかったら1位だと思います。
一同 
ジュニア ええぞ、村上!ええぞ!

夏井先生 
立派な良い句。
喜雨」の季語がまず良い。日照りの頃に降る雨のこと。まさに喜びの雨。
喜雨で喜ぶ生き物を詠んだ句がないとはいえないが、「やはらか」の表現が上手い
「鯉やはらか」で鯉が身をくねらすようにして、水面を動かしているような…。
本人 そうだよ!
夏井先生 だから褒めてんだろうよ!
浜田 はははっ。
夏井先生 「やはらか」は中々出てこない。ホントに。
浜田 東さんが言ってた通り。
夏井先生 
最後の「十重二十重」で水の輪っかの広がる様子をこのようにサラッと言えるかどうか。あえてゴチャゴチャやらないという決意。これが出来ている。
浜田 これ直しは?
夏井先生 ないよ、こんな静かで豊かな作品。いいじゃないですか。
本人 だから何で2位なんだって聞いてんだよ!
夏井先生 だから次の(1位)を見てから言えって言ってんだよ!
パックン キレた!

添削なし

3位◆『プール開き 前のプールに 水馬 藤本敏史(FUJIWARA)
◎狙い通りの展開で映像を再生させる。季語2つのリズムや言葉のバランス感覚も良い。より動きのある助詞を。

【本人談】
小学生の時のプールから発想した。プール開き前に雨水が溜まって汚いが、水面にアメンボが浮かんでいた光景をそのまま詠んだ。「プール」「水馬」と季語は2つあるが、お互いを活かし合っているため良いと思い、あえて季重なりにした。

浜田 さあ、予選落ちした…石田君、どうですか。
石田 凄い攻めてるなと思いますね。この季語…はい、それは凄いなと思いました。
梅沢名人 そちらの下々(敗退者)がね、これが凄いなんて言ってるのは出世しないと思うんだ。
本人 え?3位ですよ?
梅沢名人 炎帝戦に書く俳句じゃありませんよ!3位で(本人は)喜んでんだよ!
石田 すみません、今誰にキレてはるんですか?
一同 
石田 分からへんから。

夏井先生 
リアルな一滴(の兼題写真)から、どんなリアルな体験を引っ張り出してくるか。
プールの水の上に色んなものが集まってきたり、葉っぱが落ちていたり、虫が来たりと。
そんな光景を詠んだ句がないとは言い切れない。
作者の思い通りの展開で、読んだ人にそのまま映像を脳内に再生させる力を持っている
プール」をあえて2回使ったリズムも明るく楽しそうで良い
「プール」という季語っぽいものを使いながら「水馬(あめんぼ)」に着地する展開も良い
言葉のバランス感覚が上手い。作者の狙い通りに出来ている。
問題は1つだけ
本人 あります?
夏井先生 あります。
本人 本当にあります?
ジュニア あるわ!
浜田 いや、あるて。あるよ。
夏井先生 気付いてないですか?
本人 どこですか?
夏井先生 4位になる?(→降格をほのめかす)
本人 いやいや、なりたくない。いやいやいやいや。
→観客席からも悲鳴が
ジュニア あるよ、あるよ。それ。このパターンあるよ。気付いてるなら言え言え!
夏井先生 どれだと思う?
本人 あの…ヒントちょうだい!
一同 
本人 ヒントちょうだいよ!…「に」ですか?
夏井先生 その通り。「に」です、これです。
本人 あれ?
夏井先生 
」にするか、もう1つ「」にするかで、ニュアンスが微妙に変わる
」なら、このアメンボが動き回っている
」だと、静止してポツンといる感じ
汚れた感じでもウヨウヨいるなら、「を」にした方が通じやすくなる。

本人 やる~!
浜田 おい!
本人 やるな~、でもホント。先生、1文字だけで状況がガラッと変わるって、俳句って本当に面白いですね
夏井先生 そうですね!
浜田 (本人を指さし)どうしたいねん、あれ。
本人 本当に面白い。だって1文字で変わる、ねぇ~。
浜田 うるさいわ~。

[ここがポイント]
「に」と「を」
※「プールを」にすることで、アメンボが動いている光景が見えています。伝えたい映像に合った的確な助詞を選ぶよう心がけましょう。

添削後
プール開き 前のプール 水馬

4位◆『飛び込みの 波紋広がりゆく木陰 東国原英夫
◎光景の作り方や切り取り方が綺麗。空間が広がり種々の光を表現。作者の立ち位置が木陰側ならより奥行きを。

【本人談】
「飛び込み」を季語とした。プールに飛び込むとその波紋が意外にバァ~っと広がっていく。それを見ていて、それが(水面に映る植物の)木陰に入っていくと。

石田 飛び込んで波紋が広がっていった木陰に、飛び込んだ人を見ている人が居んのかなと言うような、そんなことも思わせるような句で、素敵やなと思いました。
梅沢名人 素晴らしい俳句ですね。でも、私が理解できないような俳句を作ってくれるのが東君だから、東君らしくないな~この俳句。置きに来たね。
村上名人 そうですよね…。
梅沢名人 はっきり言えよ!お前も。
村上名人 自分の事で…。
梅沢名人 何だお前、優勝狙ってんだろ!
村上名人 何でここで怒られなきゃいけないんだろ!関係なくない?

夏井先生 
これもとても綺麗な作品。1滴の写真から飛び込みを想像する。
波紋が最初は早く、次第にゆっくりと広がっていく。この光景の作り方・切り取り方が綺麗
最終的な到達点として「木陰」が出ることで、飛び込んだ場所から木陰までの広さ・空間が表現できている
飛び込んだときの水の光・プールの光、木陰の緑の光が自然にこの一句の中に全部入っている
1点だけ悩んだところがある。それが複合動詞「広がりゆく」の「ゆく」の部分。
「ゆく」なのか?違う複合動詞になるべきなのか?そこを迷った。
飛び込んだ場所から木陰まで広さがある。作者は一体、どこら辺で見ていたのか。
作者が飛び込んだ近くにいるか、等分(真ん中)辺りにいるのであれば「広がりゆく」で良い
木陰に近いところにいるのだとすれば
本人 くる」だな。
夏井先生 その通り。
「くる」になる。波紋の動きが違う
飛び込んだ所から波紋がずーっとこっちに来て、私が木陰の下にいる感じになる。
奥行きが作れる。
作者は一体どっちが言いたかったのか?という…。

本人 「くる」の方ですね。「くる」は候補にはあったんです。広がりを重視した。ミスチョイスですね。
梅沢名人 そうかぁ。

添削後
飛び込みの 波紋広がり木陰

5位◆『父語る 敬遠五つ 夏の雲 横尾渉(Kis-My-Ft2)
◎甲子園の松井秀喜を思わす中七の語る量が多く強打者と伝わる。父自身の体験なら語順を変えて苦さを入れる。

【本人談】
緊張感があるシーンで何かを語る時、漫画ではよく波紋を使う。そこから発想し、甲子園で過去(1992年)に松井秀喜選手が5打席連続で敬遠を受けたことを父から聞かされて、ここに当てはまると思って書いた。

ミッツ いわゆる夏の思い出とともに、波紋がポワーンと記憶とともにっていう感じが良い。
千賀:僕が凄い良いと思ったのは、「父語る」があることで、ちょっと緊張感が感じられる(→本人の語ったことを真似ている)じゃないですか。それと波紋の取り合わせが良いなって思ったんですけど。

夏井先生 
この句で一番褒めたいのは、「敬遠五つ」という言葉が語っている量が沢山ある
「野球」と分かる。「強打者」がそこにいた。「敬遠」されたと。
この時のことを非常に苦い思い出として持っているのではないかと。
そんなことも一緒に伝わってくる。
私が知りたかったのは、父の体験ではなく違う人(松井選手)のことを淡々と語っている感じなのかと気にしていた。今の話ではまさにそういうことと。
もう1つ思っていたことに、自分自身・父自身の体験だとしたら、もう少し苦さや悔しさが入っても良いのではないか
その方向ならば、上五で「敬遠五つ」と先に打ち出す。野球場に連れてこられる。
「父」の後に「あの日の」と持ってくる。
季語を「雲の峰」とすると厳しさが出てくる。
ジュニア ええなぁ、確かに。
夏井先生 こうすると、(順位が)ブーンと上がる。

添削後
敬遠五つ 父の日の 雲の

6位◆『ソーダ水 睫毛に跳ねる 泡涼し 皆藤愛子
◎季重なりは気にならない。自分の感覚を中七で表現できているのが良い。上五の季語をより描写し名詞止めに。

【本人談】
ソーダ水を飲もうとコップを口に近づけたら「ピチピチ」と泡が跳ねてくる様子を書いた。

志らく 読み手が分かったらとっても可愛らしい。彼女の句だったら可愛らしい。これが村上さんだったら気味が悪い
東国原名人 季重なりになるときに、(「ソーダ水」「涼し」の)どっちを主役に持ってくるかという選択だったでしょうねぇ。

夏井先生 
(3位と同様に)これも季重なり。「ソーダ水」と「涼し」。
この季重なりは、あまり気にはならない
中七・下五の描写が「睫毛(まつげ)に跳ねる」という体の感覚の描写になって、それが「ソーダ水」の描写にもなっているため、「涼し」はそんなに気にならない。
中七で自分の感覚を正直に言葉ですくい取れているのが一番良い。
睫毛の短い人には絶対作れない句
梅沢名人 あら?
ミッツ 付け睫毛があるわよ。
夏井先生 
良いと思う。
この「涼し」が気になるという場合は、この3音で「ソーダ水」を描写して、季語の比重を強くする
色や味に持っていける。
例えば「し」と。赤い変なのも時々ある。
し」と味に持ってくることもできる。
下五を「跳ねる泡」と名詞でピシッと切れる。こういうことになる。

藤本名人 良いね。
本人 凄い良くなりました。

添削後
ソーダ水 し睫毛に 跳ねる泡』
ソーダ水 し睫毛に 跳ねる泡


7位◆『破れ傘 雨後の雫を 垂らしけり 千原ジュニア
◎マニアックな植物の季語による一物仕立ての挑戦は良い。下五の精度が甘く雨の量を入れる。真面目度は本気。

※夏の季語「破れ傘」は傘のように葉が垂れた植物のこと。

【本人談】
番組のロケで植物園に行った時、「破れ傘」という草があることを知った。形がまさに破れた傘。おもろい名前が付いた植物やな~と思った雨上がりのロケ。これエエなというのを兼題写真を見て思い出して詠んだ。

夏井先生 
破れ傘」という植物を知っている人がいることに驚いた
作者が分かって2度ビックリ本気ですね、あなたの真面目度は
本人 違いますよ。違いますよ。
一同 
夏井先生 素晴らしいと思います。
このマニアックな季語を知らない人の方が多い。
破れ傘」で一物仕立て(いちぶつじたて)来たかと。

【一物仕立て】
17音全て使い季語のみを描写する手法
※通常、発想を飛ばすにはお題の写真から季語とそれとは関係ないフレーズを取り合わせてオリジナルの作品を作る。ジュニアは17音全てを季語「破れ傘」の説明だけに使う、発想を飛ばしにくい上級者の技に挑んだ

夏井先生 
これは描写の精度で勝負をかけるというタイプの句。
雨後(うご)の雫(しずく)」は状況として外せない。
精度を高めるには下五を変えるしかない。
「けり」もカッコいいが、「雫」とあれば「垂れる」のは想像できるため、下五の精度が甘い。
どんな具合に破れ傘のあの独特の形から雫が落ちているのか。
さっきまで雨が降っていたなら、その雨の量を書くことが出来る。
しとど」を用いる。

【しとど】
雨や汗などでひどく濡れる様子。びっしょりと。
「しとどなり」と断定する。破れ傘から雨の後の雫がぐっしょりと垂れている
一物仕立てに挑んだ挑戦は強く褒める。

本人 うわ~そうか。あの~、早く帰って勉強したいですわ。
浜田 あははは。
藤本名人 真面目やな。
村上名人 伸びるなぁ、まだ。

添削後
破れ傘 雨後の雫の 

8位◆『ギムレット 風死する夜に 鳴る淡海 千賀健永(Kis-My-Ft2)
◎情報量が多い。「風死す」で「鳴る」はおかしい。ホラーな句。憧れの状況でなく体験したことを描写すべし。

→決勝は3大会連続の最下位という屈辱を味わうことに
横尾名人 三振だったか。
本人 くっそー。ちゃんと三振の席だな。
ミッツ 見事ね。

※こだわりは、カクテルの名前「ギムレット」。しかし、この句の中には決定的に要らない言葉がある。

【本人談】
「風死す」が季語で夏の夜中を表現。「淡海(おうみ)」(=湖)の代表的なものが琵琶湖らしい。琵琶湖の湖で夜中の夏。お酒の「ギムレット」には「錐(きり)」という意味があり、錐のような突き刺すようなお酒を琵琶湖を見ながら飲むっていう……感じ。

【風死す】夏の季語
風が途絶えて耐え難い暑さ


梅沢名人 これは詰めすぎだよ。情報を。難しい言葉を17音の中にごってり入って、よく意味が分からない。
北山 千賀さん、そもそもお酒飲めないでしょ?
本人 お酒は基本的に飲めないんですけど…その。
松岡 あ~、そっか。
本人 やっぱ、イメージというか。
藤本名人 想像100%?
本人 想像100%です。

夏井先生 
おっちゃんもウダウダ言っていたが当たってる。
情報量が多すぎる
何が一番気になるか。今皆さんが指摘していないが、この「鳴る」。
おかしくない?
一同 
夏井先生 
「風死する夜」は風が止んでいる。止んでいるのに、何かが鳴っている
怖いでしょうよ!何が鳴ってんの?
本人 なんか…ケータイとか。
一同 
石田 ふざけんな、お前。
本人 なんか、夜中でも鳴っているんですよ。ケータイが鳴るんですよ。
ジュニア ケータイが鳴ってんのかいな。
藤本名人 風死する夜に。酒飲みながら。
夏井先生 それは分からない。
湖が鳴っているというのは、ホラーなのか、空耳なのか、不穏な予感なのか。
藤本名人 いや、ケータイ。
夏井先生 
「鳴る」さえ諦めればカッコいい句にはなる。
「鳴る」諦めて良いね。聞くまでもない
「風死する夜の」とし、「淡海」とか気取らないで湖(うみ)」とする。
これで1つ光景・映像が描けた。これで切れる。
喉を刺激するから、「錐」に引っかかったのなら、「喉さす」として「ギムレット」に続ける。
これで憧れている状況、憧れている飲み物は表現できる。
浜田 (笑いながら)憧れている…。
夏井先生 ただ、やっぱり自分が体験してないことを憧れだけで書くと…
梅沢名人 あは!
夏井先生 絶対に見破られます、俳句はそういう文芸です。
特待生たちもちょっとずつ技術は上がってきていると思う。
ただ、名人以上の皆さんは、1箇所間違っただけで、降格させられる厳しいところで1音1語の吟味を非常に丁寧にやっている。

それが今回の差になっているかもしれない。
上位は本当に僅差

添削後
風死する 夜 ギムレット

番外◆『50のターン ひた蹴る裸の 浮くを待つ ミッツ・マングローブ
◎これは上手い。競泳のデッドヒートが始まる緊迫したシーンを表現。複合動詞も機能した。今日は勝ってた。

※競泳の50m(プールで)のターン。強く蹴り、身体が水面に浮き上がる。そこからさらにデッドヒートが始まるという競泳の緊迫した瞬間を詠んだ一句。

(解説部屋にて)
本人 トントン。ふふふ。
夏井先生 またあんたなの?
→ミッツは前回の春光戦でも予選敗退し、決勝戦で披露するはずだった「沈黙の春尽く角砂糖ひとつ」が幻の傑作として紹介された。
本人 そうですけど。
夏井先生 これ上手いよ!
「50のターン」から、「ひた蹴る」という複合動詞も良い
「の」はいらない。「裸(はだか)」と読ませる。
勿体ない。これ(添削後)なら、今日はね…勝ってたと思う。

添削後
50のターン ひた蹴る 浮くを待つ

編集後記
今回の決勝のお題は「はごろもフーズ」のCMを連想させる水玉1つが滴る波紋が広がる写真。「夏の」とあるように、緑の木々がバックに反射して水面に映るようにも見えます。「輪となって広がる」「時間経過で消えていく」部分が予選の兼題の花火と共通していますが、季語ではない点が異なり、発想力が試されました。
1位は見事に春夏と連覇した村上名人でしたが、句が発表された時、当方は読みを迷いました。中七「次頁の影」は本の次頁の活字が、今読む頁の行間に裏写りで見えているが、季語「夕立晴」によって光が差し込みより明確に感じたのかと思いましたが、本人の話では電車のカーブで日の光の差し込む方向が変化することで、前頁の端の陰影が次頁の行間に映り込む映像を思ったようですね。春光戦では五感に染み渡る一句で優勝しましたが、今回は季語の雨と晴れの時間経過が上手く、この「夕立」をどのように解釈するかで世界が広がるという印象です。スタジオでも本人談中に女性客の笑い声が複数回あり、村上人気も定着しています。全俳句閲覧数も堂々の1位、当ブログ独自集計のタイトル戦勝率も9割超えと記録面でも申し分ない状況に。他メディアでも吟行の連載記事で活躍するなど、俳句に関して飛ぶ鳥落とす勢いです。是非永世名人になっていただきましょう。
2位の自信満々だった梅沢名人は記念すべき80句目で、まさに御大の貫禄を示す一句。「やはらか」によって、しなるように泳ぐ鯉が表現され、その池を俯瞰する目線から、雨によっていくつもの波紋が広がっていくという時間経過のある映像が脳内再生されます。「紙雛のにぎやか」の句も形容動詞が機能しましたが、情報量を詰め込まないという点でもギリギリのバランスだったと感じました。タイトル陥落のため、1000万の時計の行方がどうなるかにも注目です。
3位は藤本名人。句意は読み取りやすいのですが、散文的で幼稚な印象があり、季語がしつこいように感じました。春光戦でジュニアさんが詠んだ「壺焼きの壺」からヒントを得たようにも感じました。敢えて季重なりにした判断は成功し、リズムも褒められて助詞1音だけの添削で済みましたが、くしくも梅沢名人と同じ感想で、1位を狙うような発想の句ではないというところでしょうか。下五の季語は漢字で「水馬」とした表記のバランスは考慮されていますが、問題点の指摘がパッとできないところも含めると、東国原名人より下の順位でもおかしくないと思いました。
4位は夏のみ優勝経験のない東国原名人。唯一兼題の「波紋」を取り入れて描写しました。「ゆく」「くる」のどちらがという点以上に、なぜ「木陰」と置いたのかの方が気になりました。前半のフレーズと「木陰」との関係が説明されれば理解できるのですが、結びつくまで時間がかかるという点が難しいところですかね。着地をどうするかによって、優勝を狙えたようにも感じ、非常に惜しいミスをした印象でした。
5位は優勝できなければ次回は予選から(の意気込み)と語った横尾名人。波紋から漫画の効果へと発想するのは見事で、写実的ではない方向へ詠む挑戦は面白いと感じました。当方は松井選手の巨人時代はよく観ていましたが、甲子園時代は伝説でしか知りません。しかし、それらの背景が「父語る」によって思い起こされるのは良いですね。原句では三段切れの印象があるせいか、先生は野球の苦い実体験の方向で添削しましたが、原句も個人的には良いと思います。
6位はタイトル戦初挑戦となる紅一点の皆藤さん。志らくさんの指摘はごもっともでしたが、ちょっと言葉を詰め込んでいる印象で、句意が伝わりにくいように感じました。中七の表現は褒められましたが、やはり実体験を詠むのが重要なポイントとなる形です。先生は「涼し」の季語を消し、形容詞を付け足す形の添削でしたが、この方向性は色々と考えられそうです。
7位は一物仕立てに挑戦したジュニアさん。「破れ傘」は知りませんでしたが、この挑戦は面白く、季語の植物がどんな特徴か知っている人にとってはハッとする句だったのかもしれません。ただ、下五が少々伝わりにくくしているようには感じました。個人的にはもう少し順位が上でもいいように感じましたし、ジュニアさんの俳句に対する姿勢も素晴らしいというところでしょうか。
さて、最下位は期待を裏切らない千賀さんでした。名人王手にしては詰めが甘いですね。以前も夏井先生が指摘していましたが、キスマイの方々が実体験を詠まないのはなぜなのでしょうか。上五と着地は完全に背伸びしている印象ですが、想像で雰囲気を出したかった本人の意図も重々理解できます。先生は「風死す」「鳴る」の矛盾を指摘しましたが、やはり名人王手だった横尾さんの「風止み」「雪舞う」の失敗が思い出されます。
番外編で紹介されたのは、今回もミッツさん。人物の妖しい面、赤裸々な部分の描写が大変うまく、「裸」を用いた点と句の筆跡からバレバレと言った感じでした。人間ドラマの構築という点では村上名人とも違う感性で良いですよね。上五で50mプールと言うことは大きな競泳の大会であることが理解され、「ひた蹴る」の複合動詞もなかなか使えませんが、下五の動詞2つの畳みかけも良く、固唾をのんで見守る観覧客の心情が表現されている印象でした。ミッツさんは季語ではない兼題が得意なのではないでしょうか。
さて、結果だけを見ると名人10段の4名で上位が埋まり、予選通過の特待生3名が下位を占めるという過去に類を見ないほど順当な結果に収まりました。先生も語っていましたが、日頃の努力が如実に実力差として現れた印象です。番組としても凄く成熟しているように感じますし、波乱がないためか浜田さんも順位開けに困窮する場面が見られました。敗退者の中では石田さんが結構鋭く鑑賞していたようにも思いますが、通常編成のためか多くの講評が泣く泣くカットされたようにも思います。タイトル戦はこの番組のお祭り企画でもありますが、特待生が20人以上いる現在、予選・決勝の二部構成もまた考え直す必要があるかもしれません。また、夏井先生以外の選者が査定に加わるのも面白いかもしれません。いずれにせよ、もう少しじっくりと観たいなというのが率直な見解です。


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コメント

梅沢さんの鯉の句が印象に残っていて、探していたらこのページに辿り着きました。
時計のくだりもこの時だったんですね。
あれ?結局、時計をあげなかったなと思ったのも思い出しました。
詳細にまとめてくださってありがとうございます。
梅沢さんと村上さんのやりとりを読んでいて、プレパトのこの回を見た当時の感覚がよみがえりました。
当時を思い起こすと、この頃は今よりも俳句コーナーの出演者に勢いがあったなと感じたのですが、2019年なのでコロナ禍前だったんですね。
やはり、コロナのせいで世間の勢いが落ちているのだなと、あらためて思いました。

Re: No title

鍵付コメントありがとうございました。

ご指摘の箇所訂正いたしました。

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