中川翔子の全俳句一覧

「プレバト!!」で披露されたタレント　中川翔子(しょこたん)の全俳句一覧です。
通常挑戦者　中川翔子(なかがわしょうこ)　合計8句

成績(2023年6月15日時点)
<通常挑戦者時代>才能アリ4回、凡人2回、才能ナシ2回
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→人物紹介

◎全俳句目録　(番号クリックでリンク内移動します)

1	才能アリ	飼い猫の背中のような夕すすき
2	凡人	街灯り吐息は白く星滲む
3	才能ナシ	卒業と春風を待つわたぼうし
4	凡人	高速の渋滞彩る花火の音
5	才能アリ	梅雨の音猫が眺める洗濯機
6	才能アリ	扇風機持つ手甘噛む仔猫たち
7	才能ナシ	尾を張って猫も眺める鯉のぼり
8	才能アリ	暮れなずむ愛猫色の夏の空

▼人物紹介

「プレバト!!」では俳句で才能アリを初挑戦で獲得したタレント。独特なタッチの絵が特徴的で、芸術系査定でも才能アリを獲得している。
句の特徴は、比喩表現を多く用いた取り合わせと描写力。飼い猫に発想を飛ばした句は4回中3回成功しているが、比喩と伝わらなかったり、季重なりで失敗したりする例も見られる。また、自身の負の経験から詩を作りだそうとする意欲も垣間見え、才能アリを獲得した4回はいずれも「猫」の句である。
2回目の才能アリは添削なしを勝ち取り、特待生に昇格したパックンをも上回る得点だったが、夏井先生は「猫の句以外で良いのを見せてもらったことがない」と、特待生認定を見送る発言をしている。
3回目の才能アリは「扇風機」と「仔猫」の季重なりが成功。コロナ禍の現実を描いたと先生に読み解かれた。
2022年の久々の出演でも「猫」を題材とした句を詠むがベタと評されて2度目の才能ナシに。猫の俳句が過去に褒められていたため、今回も才能アリを獲得する魂胆だったが失敗し、特待生認定が遠ざかってしまった。
2023年の挑戦で初回以来の「猫」の比喩が成功し、4度目の才能アリを獲得している。


●[1] @16/10/27◆お題：箱根のススキ
『飼い猫の背中のような夕すすき』才能アリ1位70点

添削後
『シャム猫の背中のような夕すすき』
『ペルシャ猫めきて夕すすきのひかり』

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季語「芒(すすき)」の感触を自身が好きな猫の背中に喩えた一句。先生は他人と発想が異なる点が良く、兼題写真から比喩に持っていく発想力を強く褒めた。さらにオリジナリティのある表現をしたいならばと、より毛が短いシャム猫やススキっぽく映るペルシャ猫へと猫の種類を変えた添削を2例示す。しかし、不満顔のロザン宇治原は、「『～の』が続くのは良くないのでは？」と先生に詰め寄るが、「『の』は映像を絞ってズームアップの役割をするため、『の』をうまく使えば大きな光景から小さな光景まで表現できる」と解説。「もういいです、先生！」と吐き捨てる宇治原に、 浜田は「潔く負けを認めろ」と追い込み、先生は「改めて思ったのは、俳句というのは学歴と関係ないということです」ときっぱりと返した。

●[2] @16/12/15◆お題：丸の内のイルミネーション
『街灯り吐息は白く星滲む』凡人4位60点

添削後
『吐息白し滲める星と街灯り』

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季語は「息白し」。兼題写真の街の景色はとても賑やかで暖かいが、実景では1人でいるのが寂しくて泣きそうになり、イルミネーションを見ると死にたくなるほどで、早く帰宅して猫を舐めまわしたいと語り、自身の心情を描写した。円楽は「光景、人物、光景と3つがバラバラ。時系列を変えれば良くなる」と指摘し、先生は「特待生が言えたことに喜びを感じた」と批評を絶賛。素材は悪くないが、語順で損していると評し、人物の様子を示す季語から始め、「街灯り」「星」をともに滲ませる語順に変え、人物と映像の2カットへ添削した。本人は「寂しさでどうかしてました」と反省した。

●[3] @18/03/15◆お題：都会のたんぽぽ
『卒業と春風を待つわたぼうし』才能ナシ5位35点

添削後
『卒業や風待つ絮として我ら』

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「卒業」「春風」は春、「わたぼうし」は冬の季語。中学時代は闇の日々を過ごしたため、卒業の喜びを待ちわびていたという心情を、たんぽぽが都会で排気ガスを吸いながらも綿毛を飛ばすという光景に比喩した。東国原名人は「才能アリを獲ると、色んなテクニックを入れたがるが、これは季語が3つある。人物や風景を見たら季語がどうか判断する癖をつけるべき。"浜ちゃん"も季語か調べる」と真顔で語る。「季重なりで作れるのは名人のかなり上」と前置きする先生は、「わたぼうし」は江戸時代の防寒帽子のことで、たんぽぽの比喩だと読み取れないことも問題点と指摘。「卒業の風待つ絮(わた)よ」とすれば、季重なりを解消して要素は全て入ると解説する。最後に「君たちよ」と加えれば先生の立場とわかり、自身の立場と言いたいならと如何様にもできると添削を続ける。本人は「鬼のように断捨離された」と感想を述べた。

●[4] @18/08/16◆お題：帰省ラッシュ[新幹線の空席案内板]
『高速の渋滞彩る花火の音』凡人4位60点

添削後
『渋滞の窓を彩る花火の音』
『渋滞の窓に花火の音ひらく』

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季語は「花火」。新幹線ではなく車での帰省ラッシュに巻き込まれた情景を発想し、東京都中野区以外故郷がないため、想像で詠んだ。花火大会に間に合わず、渋滞に巻き込まれるも、音だけで懐かしさや癒しをくれると語った。志らくは「『高速』がなくても車と想像がつく」と指摘し、浜田は千賀に聞かずに先生の解説へと進行する。先生は「色ではなく、花火の音が彩る発想に詩の欠片がある」と褒める。「高速」と書いてまで光景を広げる必要がないと特待生の意見に賛同し、作者が渋滞の車内にいると伝わるよう、花火は車のどこに見えるかと先生は問うが、とっさの隙をつかれて狼狽える本人に「あなた作者ですよね？あ～鬱陶しい」とダメ出しする。前なら「フロントガラス」、横なら「窓」と指南する先生は、車のガラスを彩る微かな花火の音がするように「窓」を用いて添削。さらに、「彩る」が説明と思う人もいると「ひらく」と続けて直し、音の聞こえない映像が見えると付け加えた。「ここまで良く回復した」と仰天気味の先生に、「のびしろしかない！」と嬉しそうに本人は返した。

●[5] @19/06/06◆お題：梅雨の物干しハンガー
『梅雨の音猫が眺める洗濯機』才能アリ1位72点

添削なし

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季語は「梅雨」。今回は自信があると自負する句は再び飼い猫から着想。梅雨の静かな雨の中、部屋から動けない猫が穏やかにこの時間を見守っている様子を詠み、猫はパワーアニマルだと語った。岩永は「リアリティーがある。野良猫ではなく一緒に暮らしている猫とわかるので、猫が好きなしょこたんらしい句」と褒め、「良い人」発言をもらう。先生は、梅雨と洗濯機の取り合わせはよくある発想だが、中七が良いと評す。「猫」「洗濯機」の2つを配することで大きさの対比もでき、映像が確実なものとなると高評価。また、上五も「梅雨音の」という違和感の残る書き方にせず、時候の頃の様々な音が聞こえる「梅雨の音」に真剣に考えて置いたなら大したもんだと称賛。全体から梅雨時の洗濯機の様々な描写が想像され、それを眺める猫の怪訝そうな表情も浮かぶと解説。猫の句を書かせたら上手いと添えた。2位で特待生を決めたパックンを上回るも、「猫の句以外で良いのがない」と認定を見送った。

●[6] @21/07/08◆お題：携帯扇風機
『扇風機持つ手甘噛む仔猫たち』才能アリ1位70点

添削なし

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季語は「扇風機」(夏)と「仔猫」(春)。猫は飼い主が何かをしていると甘えなどで邪魔してくる。そういうときの幸せを是非読んだ方にも伝わったら良いなと思うと語った。先生は「季重なりではあるが、とてもうまく作った」と評し、面白い展開で、コロナ禍ならではの実景を描くことが出来ていると述べる。最初に「扇風機」があると、据え置きの大きいタイプのものを思うが、「持つ」の動詞で今どきの小さいものだと分かると解説。「手」は「持つ」とあれば普通いらないが、「甘噛みする仔猫」と春の季語の存在を出すための伏線として「手」が必要になると述べ、それを判断したに違いないと感触を語る。「仔猫」の存在が複数となった時に、みんながずっとマスクをした暑いコロナ禍の中、春に仔猫たちが生まれて季節外れの扇風機を持つ光景が見えると味わう先生は「色々考えて作ったに違いないと信じている」とやや疑いながらも季重なりの成功を認めた。連続で才能アリを獲得した。

●[7] @22/04/28◆お題：ゴールデンウィーク
『尾を張って猫も眺める鯉のぼり』才能ナシ3位35点

添削後
『尾を立てる猫よ鯉のぼりは風に』

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季語は「鯉のぼり」。猫は嬉しい時に尻尾をピンと立てる習性があり、鯉のぼりも風が気持ちよい日は尾が伸びており、猫が眺める目線で青空もイメージ出来たら良いと思って書いたと語った。梅沢名人は、猫が魚を欲しがる発想は類想だと指摘し、横尾名人は語ったように「尾を立てて」とすべきだと述べる。先生は、猫が魚の形をした鯉のぼりを物欲しそうに見るという句は掃いて捨てても湧いてくると前置き。才能ナシの理由として、「張って」がつまらない工夫だと厳しく指摘する。横尾名人の指摘を受け、「尾を立てる猫よ」と軽く詠嘆。「眺める」の4音を主役の鯉のぼりの描写へと工夫すべきと忠告する先生は「鯉のぼりは風に」と添削し、鯉のぼりの"張った"感を演出した。本人は「今まで猫を絡めたもので才能アリ1位いっぱい獲ってたから、イケるなと思ってたんですよね」と素直に「猫」句で才能アリを3回獲った傾向を分析するも、今回は撃沈した。

●[8] @23/06/15◆お題：夏の夕
『暮れなずむ愛猫色の夏の空』才能アリ1位70点

添削後
『暮れなずむ夏や愛猫色の雲』

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季語は「夏の空」。夏の空の色が時間経過で変わっていき、夕暮れのオレンジ色や金色になる瞬間に飼い猫を思い出し、「今どうしてるかな？」と思う場面から詠んだと語った。志らく名人は「愛猫色(あいびょういろ)の比喩が抜群に良い」、梅沢名人は「語順を変えたら点が上がる」とコメント。先生は中七の比喩の勝利だと評す。「暮れなずむ」で色が想像され、作者は猫好きに違いないと分かる見事な展開を称賛。惜しい所は梅沢名人の指摘通りの語順と述べる。添削は「暮れなずむ」から「夏や」と時候で詠嘆。広い「空」ではなく「雲」に絞ることで、色に加えて形を表現すればよりリアルになると解説した。本人は「ますます画が浮かびますね、ちょっと泣きそうになっちゃいます」と感無量。またも猫の句で4度目の才能アリを獲得した。