「プレバト!!」で披露されたジャニーズ 宮田俊哉(Kis-My-Ft2) キスマイ宮田の全俳句一覧です。
通常挑戦者 宮田俊哉(みやたとしや) 合計25句
成績(2023年4月27日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ5回、
凡人15回、
才能ナシ5回
→50音別一覧ページへ →ページ下へジャンプ→
人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 才能ナシ | 僕を見る夏のライオン笑顔かな |
2 | 凡人 | 吹雪抜け車窓の外は白昼夢 |
3 | 才能アリ | 登山列車近づく空はラムネ色 |
4 | 才能アリ | 土産買い汗拭き乗り込む6号車 |
5 | 凡人 | バス降りて金風香る箱根道 |
6 | 凡人 | ペダル踏み菜花の香りなびく髪 |
7 | 才能ナシ | 風香る鯉の家族がゆらゆらと |
8 | 凡人 | 欠伸して潤む瞳の西瓜売り |
9 | 凡人 | 力む手と火薬の匂いの運動会 |
10 | 才能ナシ | 改札抜け凩や星温もりも |
11 | 凡人 | 鬼退治勝利の子らの息白し |
12 | 凡人 | のり弁と車窓に映る初桜 |
13 | 才能ナシ | 空梅雨やてるてる坊主寂しげに |
14 | 凡人 | あめんぼの水上スケート日暮れに散れ |
15 | 才能アリ | 運動会父とお揃いバンソウコウ |
16 | 凡人 | 荷物持ち汗ばむ僕と浮かれし母 |
17 | 凡人 | 鏡越し煌めき冬めくアイメイク |
18 | 才能アリ | 洗濯機裏の秘かな猫の恋 |
19 | 凡人 | 花の宴欠伸で潤む19時半 |
20 | 凡人 | 眠る間にラムネの結露本濡らす |
21 | 凡人 | 戻り梅雨軒先の粒犬吠える |
22 | 凡人 | ハチ公を挟み会えずの冬隣 |
23 | 凡人 | ノスタルジー鱒あてに読む魚図鑑 |
24 | 才能ナシ | 涼風に猫も招かれEXPASA |
25 | 才能アリ | ジャズ流し桜湯啜るラジオブース |
▼人物紹介「プレバト!!」ではジャニーズからキスマイの「舞祭組(ぶさいく)」メンバーとして北山、横尾に続いて出演。
俳句初挑戦で才能ナシ30点と自身の最低記録となり、他の査定と合わせてキスマイ最後の凡人と言われていたが、3回目の挑戦にして才能アリを獲得。
句の特徴は、等身大で素直な発想と映像描写力。句の説明では、それぞれの表現の意図を説明することが多く、本人なりに熟考していることがうかがえる。また、「香り」を3回連続で用いるなど嗅覚表現の句が散見され、若い人物を中心とした描写の句も目立つが、比喩などのテクニックが失敗して読者に正確に伝わらないことが多い。
初出演が遅い千賀に先に特待生を獲られてしまい、才能アリの獲得回数を聞かれて「まだまだ」とけなされたことを語り、特待生に上がりたいと自負している。
また、キスマイメンバーでは俳句で昇格レースの第一人者である梅沢の支持が高く、「ジャニーズの先輩」という感覚で接していることを告白。梅沢師匠と慕っていることもあってか、師匠からも可愛がられている。
しかし、才能アリ2回の後に「1度わからなくなった」と明かし、「無になって詠んだ」ものの才能ナシを獲得。最近は成績が振るわず、「キスマイなのに俳句出来ない子」というレッテルを貼られてしまい、キスマイ二階堂に続いて平場出演回数が多くなっている。その出演回数が多い2人のサシ飲みで「全然俳句分かんねえな」と語り合うエピソードも明かしているが、最近はどちらが先に特待生になるかを競い合っている。
ちなみに、最近の出演時のフリのトークで、歴代の偉人が活躍するまでの苦労エピソードを披露することがお約束になっており、自身の成績に対する期待値のハードルを下げるとともに、特待生になるまで何度でも繰り返し出演することを豪語している。
夏井先生は「目の付け所は決して悪くなく、確実にステップアップしているが、小さな言葉の処理にもう少し神経を使ってほしい」「凡人的な所でウロウロしているが、1つずつ小さく前には歩いてるので、歩幅を上げて欲しい」と分析している。
2023年4月の査定で自身5度目となる才能アリを獲得。しかし、凡人回数15回を獲得している二階堂と共に特待生に認定できるか今後の動向に注目が集まっている。
●[1] @15/07/30◆お題:真夏のひまわり畑
『僕を見る夏のライオン笑顔かな』才能ナシ6位30点
添削後
『僕を見る夏のライオンみたいな花』
季語は「夏」。低順位に終わり恥ずかしがる本人は、兼題写真のひまわりが夏のライオンに見えたと語り、浜田から「そうですね~」と嘲笑される。朝に少年がひまわり畑を通り、それを見守るひまわりの表情を擬人化した一句。才能アリの横尾は「小学生レベル」だと指摘するが、「それは小学生に失礼」と上を行く先生。中七の発想は独自な視点のため、今後へのささやかな希望があるとフォローするも、兼題写真を知らないと全く伝わらず、笑顔のライオンに食われる寸前の「僕」という人物かと誤解されると指摘。中七が「花」だとわかる書き方にすべきで、笑っている場合でないと怒り気味の先生は下五を消し、比喩表現を入れて添削。読者に「ひまわりでは」と考えさせる形となり、「これで小学生のレベルに追い付く」と添えた。
●[2] @15/12/10◆お題:雪景色と鉄道
『吹雪抜け車窓の外は白昼夢』凡人4位50点
添削後
『吹雪抜け車窓にひらく白昼夢』
季語は「吹雪」。「白昼夢(はくちゅうむ)」は夢を見ているようなぼんやりとしているさまや、非現実的な空想・幻想を指す。雪の列車では外の景色が明確に見えないが、吹雪を抜ければ驚くような景色が広がるという心情を描写した。特待生梅沢は「良くも悪くもない。特徴がない」と50点という点数から適当に語る。先生は「映像がぼんやりしている」と評し、前半は映像描写できているが、「車窓」とあれば読者の意識はその外の景色に行くはずで、「の外は」が無駄だと指摘。「"白昼夢"を使えばカッコいいから俳句作った気になる」と意図を見抜いた先生は、映像が語られてないと続け、「凡人が逃げを駆ける時に必ず使う手の1つ」と手厳しい。凡人が好きな「白昼夢」の悲しい努力は活かすとし、「昔"夢は夜ひらく"という歌があった」と藤圭子の歌謡曲を取り上げ、その古いフレーズを借りて添削。詩としてブラッシュアップできる言葉になると添えた。本人は悔しそうに「あと1歩でしたね~」と反応し、先生も頷いた。
●[3] @16/05/19◆お題:新緑と箱根登山鉄道
『登山列車近づく空はラムネ色』才能アリ1位75点
添削なし
季語は「登山(登山電車)」で「ラムネ」は比喩の季語。「自分の才能見つけました!」と三度目にして1位獲得と歓喜の本人は、上五で山に向かう列車を描写し、季節感を出すため「ラムネ色の空」で夏らしさを表現し、兼題写真がイメージできるようにと順を追って意図を語った。「非常に気持ちの良い句」と語る先生は、中七で登山列車の映像化に加え、山への期待感も表現できていると解説。空の描写として「ラムネ色」が気持ち良く、若々しくて詩的な色と高評価。また、中七の助詞「は」は「の」に変えても意味は通じるが、「この空は」と取り出して指差す効果があり、小技が効いていると称賛。「近づく」の表現と合わせて、上へと近づく列車への気持ちやワクワク感がパッキングされ、「大したもん」だと褒めた。本人はガッツポーズで喜んだ。
●[4] @16/08/18◆お題:帰省のホーム
『土産買い汗拭き乗り込む6号車』才能アリ1位72点
添削なし
季語は「汗」。兼題写真に自身が入り込んだ気持ちで、実家へ帰省する行動を表現。最後は「新幹線」と書こうとしたが、兼題写真に6号車を示す数字が映っていたため、具体性があると考えてそのまま書いた。梅沢名人は「大したもん。"6号車"は大好き。"汗"という季語も立派」とべた褒め。先生は「タブーに近いことを2つやっている」と評し、動詞の多用と中七の字余りを挙げる。「買い」「拭き」「乗り込む」という動詞・複合動詞を17音の俳句に盛り込むと、気忙しい落ち着きのない句になるが、句の内容がまさにそうで、気忙しい気分を動詞の多用で見事に表現したと称賛。また、中七は7音が定石だが8音にあえてしたことで、さらにゴチャゴチャした感じを演出したと褒め、肝心の夏の季語「汗」をクローズアップしたと解説。下五も具体的な号車によって、列車の長さも想像でき、より季語を活かした効果を生んだと評した。「難しいことをよくやった」と総じて褒め、「触ってはいけない句」と2回連続の添削なしとなった。
●[5] @16/10/27◆お題:箱根のススキ
『バス降りて金風香る箱根道』凡人3位50点
添削後
『バス降りて金風香りくる箱根』
季語は秋の風を指す「金風(きんぷう)」。特待生へと意気込んだものの凡人に終わった。兼題写真の場所に行ったことがあり、バスを降りた瞬間に風を受けて独特の雰囲気を感じ、「俺しか書けない」と思い自信があったと語った。多少発想はありがちだが、季語と嗅覚表現を含む中七に詩があると褒める先生は、「道」が勿体なく、2音足りない時に安易にやる方法だと見透かす。この句は臨場感が重要で、先にある「道」でごまかさず、今この瞬間に風が来た感じだとわかる表現に添削した。その場に降り立った実感が読み手に伝わる句となり、最下位の山下真司から「惜しいね」と言われ、藤本名人や浜田が山下にツッコむことに。
●[6] @17/02/23◆お題:菜の花と自転車
『ペダル踏み菜花の香りなびく髪』凡人3位47点
添削後
『ペダル踏む髪に菜花の香りくる』
季語は「菜花」。恋人と一緒にサイクリングをするイメージで、周囲から感じる菜の花の香りより、彼女のなびく髪からの香りの方が濃く、男心をくすぐる様子を妄想して詠んだ一句。梅沢名人に「下五が余分。自転車に乗れば髪はなびくもの。中七は素晴らしい…」と続け、話が長いと注意する浜田に「可愛いから」とポツンと語る梅沢師匠。宮田はキスマイからの梅沢の支持がハンパないことを明かし、「ジャニーズの先輩」と慕っていることを告白。先生は極めて発想が平凡な句で、要らない言葉があるのが問題点と指摘し、名人の指摘にも同調。「髪がなびかない人もいるが」と前置きし、語順を変えて映像を明確に伝わるように添削。最後は「かな」で詠嘆する方法もあると解説した。本人に「彼女の髪の匂いにうっとり?」と質問し、「それが菜花の香り?」と確認するが、「菜花は結構臭いよ」とまさかの事実を告白する先生。雰囲気で詠んで失敗してしまった。
●[7] @17/05/04◆お題:こいのぼり
『風香る鯉の家族がゆらゆらと』才能ナシ4位35点
添削後
『風薫る水面や鯉の家族らも』
季語は「風薫る」。散々な結果に浜田から「もう帰れ」と言われるが、「好成績の後に俳句が分からなくなり、無に戻った気持ちで詠んだ」と語った。鯉幟と書きたくないため「鯉の家族」と表現し、リズム感を考えた一句。季語がないと言うジュニアは、藤本名人に小声で確認し、先生も季語はあると念押しするが、「香る」の表記が気になると指摘。本人は「違う」と抗うが、「聞きなさい」と叱る先生は、「薫風」の傍題である「風薫る」に字を直し、「言い訳は聞くまでもない」と切り捨てる。さらに「17音の内容はたった一言で言える。それは『こいのぼり』」と内容の薄っぺらさを酷評。本人の工夫は全て無駄な努力として、季語「鯉幟」に吸収されていくと評した。池に棲む本物の鯉にすれば映像になると解説し、水面を揺らす複数の鯉の光景へと添削。「らも」で頭上にいる鯉幟も想像させる小技が効いた添削に、梅沢名人も感心していた。
●[8] @17/08/24◆お題:夕暮れの商店街
『欠伸して潤む瞳の西瓜売り』凡人4位50点
添削後
『三度目の欠伸に潤む西瓜売り』
季語は「西瓜(すいか)」。八百屋で西瓜を売るおっちゃんを主人公にし、一番眠くなる夕方に欠伸(あくび)をして涙目になる様子を描写した一句。「欠伸をしたら目が潤(うる)む。中七は書かなくて良い」と教える梅沢名人に先生も一部同調。「欠伸に潤む」で十分読者に想像させる効果を生み、「瞳の」が不要とまとめる。余った5音でどのような上五にするかが才能アリへの鍵と語る先生は、数字を用いて時間経過を出す表現で添削した。「目線は決して悪くないが、小さな言葉の処理に神経を使って」とアドバイスする先生。「良い感じでした?」と問う本人に「大体良い感じ」と返答し、本人は喜んだ。
●[9] @17/10/19◆お題:綱引き
『力む手と火薬の匂いの運動会』凡人3位65点
添削後
『力む手に火薬の匂う運動会』
季語「運動会」と綱引きの競技の様子を取り合わせた。ジャニーズで毎年開催される運動会などから、合図となるピストルの火薬の匂いを連想したと語った。東国原名人は「中七の発想が凡人。ピストルの音や火薬の匂いとか。中七も8音。自身はスランプだと言っていたが、スランプがあるレベルか?元々このレベルでは?」と酷評する。運動会の俳句は、種目・競技・場面が色々あり、音・感触・匂いと切り口も色々あるが、上五の手の感触と中七の嗅覚の2点に絞って、季語を象徴しようとした意図は良いと先生は褒める。中八は極力避けるべきだとそろそろ覚えてと語り、助詞と活用を変えて臨場感を出すように添削した。季語を定義する語り口ではなく、生々しく際立てるべきだと指南する先生は最後に、「凡人でウロウロしているが、小さく前進している感触はあるので、歩幅を上げて」と本人を分析。浜田から「小股すぎんねん」とツッコまれてしまった。
●[10] @17/12/07◆お題:冬の帰り道
『改札抜け凩や星温もりも』才能ナシ5位(最下位)37点
添削後
『改札を抜ければ荒星の生家』
季語は「凩(こがらし)」。初の最下位で観客からは無反応という空気に。ジュニア時代の練習のため、電車通いの生活で毎日実家に帰った頃を回顧し、地元の方が冬の星が綺麗に見えた心情を描写。凩や星は冷たいが、実家は温かみがあるという対比も含み、リズミカルに詠んだと語った。梅沢名人は「何言ってんのか分からない。語ったことが入っていない」と切り捨てる。「作者の意図を聞いた上で凡人に上がる可能性も」と語る先生は、「間違いなく才能ナシ」と結論付け、中七の「や」を並列で扱ったことが問題点と指摘。「や」を切れ字だと読み手は考え、凩を強調して、星に温もりを感じる内容かと思うはずで、その説明なら凡人にしたと解説。普通に表現すると17音から溢れるため、本人も工夫した結果、意味の分からない句になったと評し、木枯らしが吹きすさぶ荒れた夜の星を意味する季語「荒星(あらぼし)」を用いて、生まれた家を意味する「生家(せいか)」で大幅に添削。改札を抜ければ凩によって磨かれた星があり、その奥には自身の生家があるという格調高い内容の添削後なら、「今日は特待生だった」と言われて本人は悔しがった。
●[11] @18/02/01◆お題:節分
『鬼退治勝利の子らの息白し』凡人2位60点
添削後
『鬼退治終え子どもらの息白し』
季語は「息白し」。節分の豆まきで鬼退治した後の子らの息が白い様子を想像して詠んだ。横尾名人がフジモンに寄り添っているとイチャモンをつけ、宮田が頑張ったら横尾に代わって弟子入りさせたいという梅沢名人は「勿体ない。『鬼退治』とあれば『勝利』は無駄」と指摘。先生は「名人、エライ」と称え、句も良い所まできていると評し、豆まきと言わずに季語を持ってきた発想や勉強量を褒めた。「退治」「勝利」の意味のかぶりを指摘し、中七を「終えたる子らの」と文語調で例示。口語調が良いのではと続けて添削した。「勿体ないことした」と語る先生に浜田も乗っかり、「めっちゃ恥ずかしいですね」と本人は反省した。
●[12] @18/03/22◆お題:桜と新幹線
『のり弁と車窓に映る初桜』凡人4位63点
添削後
『のり弁と君と車窓の初桜』
『のり弁と母と車窓の初桜』
季語は「初桜」。発想を飛ばし過ぎても伝わらなければ意味がないと千賀・横尾に伝授されシンプルに挑戦。乗車時の行動に発想を飛ばし、大体のり弁を食べるが、窓から桜が見えたら素敵だなという心情を表現。才能アリとなった女優の吉本実憂にあやかり、ドラマや映画に出演したことはないと笑顔で語った。藤本名人は「『車窓に』」とあれば『映る』は不要」と指摘し、成長力のなさをダメ出しして苦い顔になる本人。「写真の中に入り込んでいる」のは良いと評す先生は、「のり弁」がユニークで、俗なイメージを持つ弁当と雅で美しい桜との取り合わせも勉強の成果だと褒める。なぜ「映る」と書くのかと名人の意見に同調し、消した音数で色々やれると並列表現を2例示した。
●[13] @18/06/28◆お題:
梅雨明け『空梅雨やてるてる坊主寂しげに』才能ナシ5位(最下位)37点
添削後
『空梅雨やてるてる坊主の白まぶし』
季語は「空梅雨」。空梅雨で出番がないため寂しく感じている「てるてる坊主」の心境を描写し、発想を飛ばすことに挑戦したと語った一句。梅沢名人に「師匠を間違ってる。横にいるフジモンを参考にするからロクな俳人にならない。梅雨にてるてる坊主は当たり前。発想がどこにも飛んでない」と痛烈に批判し、本人は「師匠を間違えました。梅沢師匠」と寝返る。先生も名人に寄り添い「ジャンプして2cmの位置へ落ちただけ」とダメ出しし、ベタな発想が1つ目の問題点と解説。「空梅雨」だから「てるてる坊主が寂しげだ」という原因理由を述べたのが2つめの問題点で、「寂しげに」という擬人化が説明的なのが3つめの問題点とダメを押す。あえて中七を字余りにして韻を重視し、下五は出番のないてるてる坊主の映像へと添削。しかし「1つめの問題点は残る。せいぜいここまで」と最下位の句に先生もお手上げに。
●[14] @19/06/27◆お題:
梅雨晴れ間の水たまり『あめんぼの水上スケート日暮れに散れ』凡人2位65点
添削後
『あめんぼの水面滑らか日暮れに散れ』
季語は「あめんぼ」。東京ドーム公演で5.5万人のファンから「俳句頑張れ」と励まされ、MCトークでプレバト!!の話になることを紹介。子どもの頃に水たまりのあめんぼをずっと観察したことがあり、「あめんぼはどこに行くのだろう?」と考えていて夕方には見えなくなると感じていた頃を思い出して詠んだ一句。鈴木光は「下五が勢いがあって潔い」と褒め、本人は「"の"と"れ"で悩んだ」と語り、先生はその点は良いと褒めるが、「むしろここを悩め」と指摘し、中七を全て消してしまう。「凡人は擬人化すると何かやった気になる」と下手な擬人化を酷評。しかし、この句の核には詩があり、水面を滑るあめんぼに向かって夕暮れてきたところに「散れ」と優しく柔らかく呼びかける書き方を褒める。小さな生物に対する愛の言葉のように「滑(すべ)らか」で添削し、「いい句になるんですよ」と添えた。ジュニアは「"滑らか"はどれだけ東京ドームで喋っても出ない」と笑いをとった。
●[15] @19/09/26◆お題:
運動会[父転ぶ写真]『運動会父とお揃いバンソウコウ』才能アリ1位70点
添削なし
季語は「運動会」。兼題写真の転んだ父のその後を想像し、母に貼ってもらう絆創膏が、息子と同じ膝に貼ってたら可愛いなと思うと語った一句。作者に仰天したと語る先生は、「物に焦点を絞ったのが成功の一番の理由」と評し、中七以降の状況の描写で季語が主張し始めると語る。転んだ父の様子や親子の照れ臭さが読み取れ、運動会中と運動会後の場面を一緒に想像させる効果が下五で生まれたと解説。「バンソウコウ」と漢字にしない表記も重い気分ではなく、可愛らしさに一役買ったと結論付け、嬉しそうに添削なしを告げた。20回以上出場する二階堂とサシ飲みで「俳句分かんねえ」と呟くほど苦戦していたが、約3年ぶりに3度目の才能アリを獲得し、本人は上機嫌に。
●[16] @20/06/04◆お題:
紙袋『荷物持ち汗ばむ僕と浮かれし母』凡人5位(最下位)55点
添削後
『買い物や浮かるる母と汗の僕』
季語は「汗」。兼題写真を見て、女性もののブランドやデパートの紙袋があると思い、母との買い物を思い出したという本人。男の子なので、母の荷物を持つと母は喜ぶが、自分は無理して汗をかきながら一生懸命荷物を運んだ思い出を詠んだと語った。梅沢名人は、「浮かれし母」の6音の字余りに触れ、定型に収めるべきだと指摘し、先生も同意する。全体として微笑ましい光景を書く姿勢は悪くないと評する先生は、複数の問題点を指摘。「荷物持ち」からの語順が説明的で、下五の助動詞「し」が過去の意味になるのが勿体なく、季語である「汗」をクローズアップすべきと、細かい減点部分を列挙。上五を消し、汗の自分をアップにして表現すれば季語を活かすと解説し、基本の型に添削。「コツコツ勉強よ、宮田君」と最後にエールを送った。
●[17] @21/01/28◆お題:
鏡『鏡越し煌めき冬めくアイメイク』凡人3位55点
添削後
『鏡越しに合う目冬めくアイメイク』
季語は「冬めく」。兼題写真の丸いコンパクトミラーを女性用の鏡と思い、冬っぽい目のアイメイクの可愛さを想像し、鏡越しに女性と目が合う場面の句だと語った。梅沢名人は中七の8音を指摘する。先生は中七以降の3単語で「め」の韻を踏んだ工夫を褒めるも、中八になる点を「小さく取りこぼすのがあなたという男」といさめる。鏡越しに目が合うドキドキした瞬間を書くべきと指南し、綺麗ぶった「煌めき」を消す。さらに、字余りを上五に持ってきた方が、リズムが崩れにくいと忠告する。「に合う目」で意味の切れ目を作り、「め」の韻を踏む意図を残しながら、女の子の目が映像で出るように添削した。本人は「マジでリベンジしたいわ、これ悔しい」と凡人10回目を悔やんだ。
●[18] @21/03/18◆お題:
家電量販店『洗濯機裏の秘かな猫の恋』才能アリ1位71点
添削後
『洗濯機裏ひそやかな猫の恋』
季語「猫の恋」は発情期を迎えた猫の行動を指す春の季語。子どもの頃にアパートに住んでいて、玄関の横にある洗濯機の裏に猫が入ってきたという体験から詠んだ一句。「猫の恋」が季語にあり、素敵だなと思ったと語った。梅沢名人は「身近なことを綺麗にまとめた素晴らしい俳句」とべた褒め。先生は季語を説明し、うるさくギャーギャー泣いたりケンカしたりしながら、散々泣きかわして暴れた後は「秘やかな」という状況にもなるのではないかと共感。良い生活感のある目の付け所を褒める。勿体ない点として、「裏の」で繫がない方が映像としてクッキリすると指摘。「洗濯機裏」で一回切り、句またがりを提案する。「秘かな」ではなく、平仮名で「ひそやかな」として漢字が繋がらなくて済むように添削。一回意味が切れて「ひそやかな」と言われた読み手に疑問を抱かせる心理になり、裏を覗きこませて季語「猫の恋」を置く展開なら特待生に手が届くと本人に語った。
●[19] @21/04/08◆お題:
あくび『花の宴欠伸で潤む19時半』凡人4位65点
添削後
『花疲あくびに潤む十九時半』
季語は「花の宴(えん)」。午前中から酒を飲む花見の体験から、19時半くらいに眠くなって一番あくびをする時間帯だと思って詠んだという一句。「俳句としては良い」と褒める志らく名人に対し、梅沢名人は「普通過ぎる」と評価が割れる。先生は「特別悪くはないが、惜しかった」と評す。「花の宴」は酒盛りするに違いなく、「19時半」の着地が単純すぎた点と、助詞「で」の問題点を挙げる。季語は「花疲(はなづかれ)」とし、花見や人波に疲れた様子にイメージを広げれば綺麗になると解説。「あくび」も平仮名にし、助詞については正しく答えられなかった梅沢名人。先生は「に」に変え、「で」と「に」の違いを解説する。後ろに動きのある動詞なら「~で」、動きが静かな動詞の場合が「~に」だと語った。数字も「十九」と漢字にして整え、これなら順位は上がっていたと忠告。本人は「ホントに凡人なんでしょうね、僕ね~」と爽やかに返した。
●[20] @21/05/06◆お題:
昼寝『眠る間にラムネの結露本濡らす』凡人2位65点
添削後
『うたた寝の本をラムネに濡らしけり』
季語は「ラムネ」。飲み物を机に置くと結露して容器の外がビチャビチャになり、昼寝の最中に瓶の傍に置いてある漫画や本が濡れる光景を詠んだと語った。村上名人は「結露」と「濡らす」の重複を指摘する。先生は着眼点を褒めるも、問題点を2点指摘。「結露」「濡らす」の重複は、片方を消す方法を忠告するが、上五「に」も散文的な語順だと続ける。寝る動作の名詞形を提案し、ウトウトと寝る「うたた寝」に変えた。「うたた寝の本を」でうたた寝しながら本をポッと置いた感じとなり、「ラムネに濡らしけり」と展開して、韻文の響きを整えた。特待生を目指す本人は「精進いたします」とかしこまって返した。
●[21] @21/06/17◆お題:
折り畳み傘『戻り梅雨軒先の粒犬吠える』凡人2位55点
添削後
『犬吠える梅雨の戻りの軒しずく』
季語は「戻り梅雨」。散歩に行きたい犬がいるが、戻り梅雨の雨でずっと散歩に行けないため、軒下から雨に向かって吠えている犬の様子だと語った。梅沢名人は三段切れを厳しく追及し、本人はカッコつけたと反省するが、先生は「これはカッコはどこもつけてない」と即座に否定。先生は「ただ凡人であるという事実だけがここにある」と淡々と告げ、三段切れの問題点と、「軒先の粒」の表現が曖昧な点を挙げ、もっと滑らかに表現すれば良いと忠告。俳句ではどの映像から始めるかが大事であり、「犬吠える」場面から話を展開した方が良いと述べて筆を執る。「梅雨の戻りの」で調べを作り、「軒しずく」で粒が水だと分かるように添削した。犬の声から始まり、しずくに映像が寄っていけば句は整うが、「今日の句の中で凡人中の凡人」だと感触を語った。20回以上査定を受けながら特待生になれない事実について浜田から問われる本人は、「あと10年は粘るんで僕。お願いします、浜田さん」と懇願。浜田は「無理無理。もう永世名人死んでるもん」と梅沢名人をいじるが、すがさず「10年は生きてますよ。まだ大丈夫だと思います」と御大が返した。
●[22] @21/10/28◆お題:
待ち合わせ『ハチ公を挟み会えずの冬隣』凡人4位50点
添削後
『ハチ公を挟み冬隣の苦笑』
『ハチ公を挟み冬隣の不覚』
季語は「冬隣」。東京・渋谷のハチ公像を挟んで待ち合わせ中の2人が気づかずに会えないという場面。隣にいるのに会えないが、冬はもう隣にある感じを詠んだと語った。先生は、「会えず」の動詞が問題だと述べ、「会えませんでした」と説明すると俳句はとてもつまらなくなると指摘する。「ハチ公を挟み冬隣の」と整理し、最後のダメ押しとなる単語を2例挙げる。「苦笑」なら、ハチ公像を挟んで苦笑いしながらも会えてるという感じになると解説。「不覚」なら、せっかくあそこまで行って待ってたのに不覚にも会えなかった感じになると述べる。このような展開ができるようになれば、特待生になれるとエールを送る先生だが、藤本名人は「凄いななっちゃん」と添削に感心していた。
●[23] @22/05/05◆お題:
動物図鑑『ノスタルジー鱒あてに読む魚図鑑』凡人3位55点
添削後
『鱒あてに子どもの頃の魚図鑑』
季語は「鱒(ます)」。「あてに」は酒のつまみの意。「懐かしい」の別の表現を考えて英語っぽく「ノスタルジー」にしたと語る本人。子どもの頃に魚図鑑を見るのが好きだったが、親父が魚を食べる酒の席で、自身の図鑑を見ていたのを思い出し、"魚食べながら図鑑見るなんて残酷だ"という思いを表現したと語った。皆藤名人は「残酷さが伝わる」と褒めるも、ジュニア名人は上五の悪さを指摘。先生は、「ノスタルジー」と書けば良いというのは浅はかな考えだと容赦なく指摘する。「図鑑」があれば「読む」も不要だと述べ、鱒をあてにして酒を飲んでいる意味の「鱒あてに」から始めるべきと指南し、語順を変えて添削を行う。中七に「子どもの頃」と入れ、子どもの頃に読んでた図鑑を懐かしく思ってお酒を飲み、大人になって再度図鑑を引っ張り出す感じが出れば「ノスタルジー」にもなると解説。5回連続で凡人となった本人は「ノスタルジーって二度と言うのやめます」と反省して笑いを取った。
●[24] @22/08/18◆お題:
サービスエリア『涼風に猫も招かれEXPASA(えくすぱーさ)』才能ナシ3位35点
添削後
『野良猫もいて涼風のEXPASA』
季語は「涼風」。「EXPASA」(エクスパーサ)」は中日本高速道路がサービスエリアに展開する商業施設。ゴージャスな感じのEXPASAだが、サービスエリアに「猫ちゃん」が入ってくる光景で、招き猫の逆みたいに猫もEXPASAに招かれている洒落た句だと語った。志らく名人は「陳腐な俳句で、横文字を使ったのもカッコいいと勘違いした」と厳しいコメントだが、本人も横尾名人などの先行句の真似をした点を認める。作者を見て困り果てた先生は、「涼風」より猫やアルファベットが目立っている点を指摘。招き猫・野良猫のどちらを意図するのか問いただすと、「野良猫」だと答える本人に、つまらない擬人化は止めるべきだと中七を削除。つまらない擬人化が詩としての純度を下げると忠告し、素直に「野良猫もいて」と表現し、「涼風のEXPASA」と繋げた。直したところでどうだちゅう感じだと総評を述べた。諦めきれない本人は「もう一回、今度リベンジさせて下さい」と浜田に直訴した。
●[25] @23/04/27◆お題:
遊園地『ジャズ流し桜湯啜るラジオブース』才能アリ2位70点
添削後
『桜湯やラジオブースに流すジャズ』
季語「桜湯」は塩漬けの桜の花が入った飲み物。兼題写真に写る横浜ランドマークタワーの内部にあるラジオ局「FMヨコハマ」で自身が番組を持つことから発想し、ラジオブースの中から遊園地を見た光景を詠んだと語った。梅沢名人は「啜る」「流し」の2つの動詞表現が気になると指摘。先生は「ジャズ」「桜湯」「ラジオブース」の3つの取り合わせがオシャレで、音数の多い単語を苦心しながら入れた姿勢を称賛する。勿体ない点は「流し」「啜る」という動詞2つがザワザワして落ち着かない部分で、片方に絞ることで句の姿がスッキリすると忠告。語順を「桜湯や」から始めれば「啜る」が不要となり、「ラジオブースに流すジャズ」と名詞止めで終える語順に変えた。ジャズがゆっくり広がっていく空間の中に、もう一度桜湯の香りや味が戻ってくるような効果を出す添削例なら1位だったと述べた。本人は「悔しい。そうか~。直った方が絶対いいですよね~」と笑顔で納得しながら語った。
- 関連記事
-
スポンサーサイト