「プレバト!!」で披露されたフリーアナウンサー・タレント 徳光和夫の全俳句一覧です。
通常挑戦者 徳光和夫(とくみつかずお) 合計10句
成績(2023年6月15日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ4回、
凡人5回、
才能ナシ1回
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人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 凡人 | 新茶摘み瑞々しきや今朝の富士 |
2 | 才能アリ | 江ノ島や叩き付けたい苦い夏 |
3 | 才能アリ | 車窓から梅だあの娘の校章だ |
4 | 才能アリ | 路地裏の記憶をたどるかき氷 |
5 | 凡人 | 夏練や蛇口で冷やす股間かな |
6 | 凡人 | 晴れマーク春は名のみの風寒し |
7 | 才能アリ | 路線バス家電前駅風信子 |
8 | 凡人 | 悴みがふと懐かしきティショット |
9 | 凡人 | 指先に沈む夕陽やママの冬 |
10 | 才能ナシ | 八十路夏蛍照らせし初デート |
▼人物紹介「プレバト!!」では俳句に初挑戦ながら凡人60点台に沈んだ「ズームイン!朝」の元キャスター。その後才能アリを3回獲得し、最高齢特待生候補となっている。
句の特徴は、実体験を中心に平易かつ素直な言葉で切り取れる表現力。場面描写をしながらも、心情を強く表現する傾向が強く、才能アリを獲得した初期の3句はいずれも自身の幼少期の思い出が関わっている。
初登場時には、川柳の傑作が結構あると語り、奥さんの言い分をもとに「初デートあの日に戻って断りたい」と代表作を披露して、浜田を唸らせた。「先生に散々叩かれた」と言う凡人査定の結果を受けて、夏井先生の本を東京駅で買って勉強した結果、見事才能アリを獲得。また、本人が出演するバス旅の番組(「路線バスで寄り道の旅」)では、行く先々の店のサインで川柳を詠むことをパートナー出演する田中律子が明かしている。
本人は「毎回自信はない」としながらも、旧来の友達からメールやFAXで「あの夏井先生から褒められるのは、昔のお前とは思えない!」と言われたエピソードを披露した。
一斉昇格SPにも出場。梅沢名人から「大先輩だから特待生になってほしいが、名人になるまで生きているか」と御年80に近い本人をいじる場面も。「最下位で死んでいくよ」と投げやりになってしまい、実際に最下位で昇格は厳しい形に。
久々の挑戦でも凡人査定と苦戦していたが、7度目の挑戦で4度目の才能アリに輝いた。
しかし、2023年の10度目の挑戦で初の才能ナシとなり、史上最高齢(82歳)の特待生には程遠い状況に。ここ最近は先生解説後、ひ弱な発言や自虐的な反省コメントが目立っている。
●[1] @15/06/04◆お題:茶畑と富士山
『新茶摘み瑞々しきや今朝の富士』凡人3位63点
添削後
『茶摘み唄今朝富士山の瑞々し』
新茶を摘むときの富士が霞んで若々しく感じる様子を詠んだ句。1位となる梅沢は「今朝」が気に入らないと指摘するが、夏井先生にこの句の最も褒めるべき点が「今朝」と全否定され、浜田から首を絞められる。先生は夏の季語「新茶」と春の季語「茶摘み」が合わさった上五が問題点で、中七も「や」の詠嘆によって「茶摘みが瑞々しい」という誤読を生むと指摘する。聴覚情報の「唄」を入れて、遠近感を生む表現で富士山の瑞々しさが出る句に大幅に語順を入れ替えた。本人は「私より若いのに大したもんだ」と添削した先生を褒め称えた。
●[2] @17/08/03◆お題:真夏の海水浴場
『江ノ島や叩き付けたい苦い夏』才能アリ2位70点
添削なし
季語は「夏」。大学生の夏に家族で江の島へ海水浴に行き、当時片思いだった女性が自分の友達の男性と2人でデートしているところで偶然に遭遇してしまい、家族で来ていることを見られて恥ずかしく、かつライバルがいたことで悔しく、2人を妙に祝福してしまった本人の情けない思いが募るという複雑な心境を詠んだ一句。未練が残るため「いまだに江の島が嫌い」と語る本人だが、藤本名人は「海水浴は楽しいものだが、逆の感じが良い」と褒める。先生は、具体性に欠ける面はあるが、「叩きつけたい」「苦い」で作者の強い心情が伝わり、「い」で畳み掛け、その感情を「夏」に託しきる展開を高評価。下手に直すとバランスが崩れるため、このままで読み手が色々と想像すれば良いと評し、ご機嫌な本人は「夏井先生にズームイン!」と例の朝番組の司会者ポーズを決めた。
●[3] @18/02/08◆お題:梅と電車
『車窓から梅だあの娘(こ)の校章だ』才能アリ1位72点
添削なし
季語は「梅」。高校2年の頃、通学電車の4両目の3番目の扉に毎回乗っていたが、前の2番目の扉付近にいる女学生が気になって遅刻も構わずストーカーした実体験を語り、彼女の制服の校章が梅のマークだったことを句にした。特待生千賀は「登校する道中の風景も見えるし、"だ"の韻がかわいい」と語り、「良く言った」と褒め称える梅沢名人。先生は「肩の力は抜けているが、正真正銘の俳句」と評す。季語「梅」の使い方がユニークで、前半は眼前の「梅」という光景で季語の力を発揮するが、後半でも梅のイメージが連想される。また、後半の展開が粋で、経過した時間や作者の思い、ほのかな恋心が一気に浮かぶ。さらに、上五「から」もさりげないが、ある瞬間から梅が見える臨場感を生み出す表現になっている。「飄々とした楽しい句で今晩の酒が美味い」と終始絶賛し、連続添削なしとなった。
●[4] @18/07/05◆お題:
かき氷『路地裏の記憶をたどるかき氷』才能アリ2位70点
添削後
『路地裏の記憶かき氷は甘し』
季語は「かき氷」。バス旅の番組で小中学生時代で遊んだ思い出の場所周辺でロケをし、当時の路地裏に入って、駄菓子屋があった場所辺りを辿っていき、店のかき氷削り器を見た瞬間に当時の光景が思い出されたことを詠んだ。特待生ジュニアは「メチャメチャ良い」と褒める。先生は「穏やかに丁寧に詠めている句」と評し、不要にも思える動詞「たどる」は記憶だけでなく、道をもたどるという意味合いを含めた効果があると解説。「たどる」と平仮名にしたことで、本人も意味を重ねたと語り、先生と心が通じ合った。「たどる」に深い意図がない場合の参考として、味を描写して季語「かき氷」をより具体的に鮮やかにする添削例を示し、「こうすると1位」と添えたが、本人は「人間は甘いんですけどね~」と自身を皮肉った。
●[5] @19/05/16◆お題:
学校の蛇口『夏練や蛇口で冷やす股間かな』凡人7位(最下位)50点
添削後
『ファウルチップの股間蛇口に冷やす夏』
季語は「夏」。高校時代に半年間だけ野球部だった実体験を語る。捕手をしたとき、打者の打ったボールがショートバウンドして捕手に当たるファウルチップが股間を直撃。痛くて泣き叫ぶと、水場まで担がれて局部を蛇口の水で直接冷やされた過去を告白。蛇口で思い出すのは股間だとまとめ、先生は「股間」が気に入らなかったのかと推測するが、否定される。先生は発想が面白いが、方法を失敗したと指摘。「夏練」は様々な部活を連想させ、野球部だとはっきり特定できないため、「股間」から始めて頭に言葉を足すべきだと指南。語っていた「ファウルチップの」を上五に置いて、「股間」で一回切るべきとし、映像が確保されると浜田も頷く。さらに、場所を表す「に」に助詞を直し、2か所の切れ字も消して添削した。「夏という大きな季語がクローズアップされて、夏の記憶としてあなたの股間が蘇る」とユーモラスに総括。本人は、俳句は素晴らしい文学だと感心した。
●[6] @20/02/20◆お題:
天気予報『晴れマーク春は名のみの風寒し』凡人3位50点
添削後
『春は名のみの風のつめたき晴れマーク』
季語は「春」と冬の季語「寒し」の季重なり。本人が出演した「ズームイン!朝」の経験から、生放送で良く使うフレーズを句にしたが、言葉に頼りすぎて満足しておらず、もう少しひねりたかったと語った。梅沢名人は季重なりで意味が繋がらないと指摘。本人は「最初は季語を『春寒し』にしたが、それなら季語1つになるのか?」と尋ね、「いや?それはどうなんだ。急に言われても」と答えられない名人。先生は、「春寒し」も季語だが季語を2つに分けたバランスの問題だと指摘。最後に置かれた「寒し」の比重が強く、春の内容のため「春」を主役の季語にすべきと指南する。最も伝えたい中七を上五字余りに置いて語順を変え、意味の強い「寒し」を「つめたき」に変えた。「春」の比重を上げ、最後の「晴れマーク」が受け止めるかの添削に、梅沢名人も「あ~いい!」と納得。こうすれば、普通の発想でも読みやすくすると解説した。「恐れ入りました。先生が実に艶っぽく見える」とおだてる本人であった。
●[7] @21/03/18◆お題:
家電量販店『路線バス家電前駅風信子』才能アリ2位70点
添削後
『プレバト家電前駅バス停風信子』※「プレバト」の部分は別の名詞も可。「家電前駅」は「家電駅前」とも説明している。
季語は「風信子(ひやしんす)」。自身が出演する路線バスの旅番組の宣伝だと語る本人。番組で「○○家電駅前」という停車場で降り、散々家電の説明を聞かされた後、次のロケ地に行こうとバス停に戻ると傍らにヒヤシンスの鉢があり、それを見てホッとした様子と語った。梅沢名人は「実体験の俳句で非常にバランスも良い。もう特待生で良いのでは」と勝手に提案する。先生は「これはリズムが良い」句と評す。ただ、特待生を狙う場合に「路線」が必要かどうかなどを推敲すべきだと忠告する。本人が語ったように、「家電前駅」の前に、実際入ったお店の名前を書いた方がオリジナリティーが出ると提案する。「○○家電駅前(前駅)バス停」と「停」の字を入れて、最後に「風信子」でも同じになるとし、バス停がしっかり見えれば、小さな風信子が見えやすくなると解説した。最後に「ここまで考えられれば出身の海城高校同窓生の皆さんは喜ぶと思う」と本人をいじった。4度目の才能アリとなったが、特待生にはなれなかった。
●[8] @21/12/16◆お題:
ヒートテック『悴みがふと懐かしきティショット』凡人3位50点
添削後
『懐かしきものに悴むティショット』
季語は「悴(かじか)む」。ゴルフは昔はさらに厚着し、ティーショットで手がかじかむと「はぁ~」と息を吹きかけた。ヒートテックを着用するようになってから、「あれ?手がかじかんでない」と感じる懐かしさを詠んだと語った。梅沢名人は作者らしさを褒めるも「ふと」が不要だと指摘し、先生も同意する。「ティショット」がゴルフの現場と分かる映像化になるが、凡人の音数調整に使いがちな「ふと」の2音が勿体ないと指摘。"何々にこういうものがあります"と懐かしいものを自分で数え上げるような「ものづくしの型」の添削方針を示す。「懐かしきものに」でものづくしの言い方になり、「悴むティショット」と続けた。懐かしいものは色々あるが、「私にとっては悴むあのティーショットだな」との味わいに、本人は「素晴らしい解説ですね」と先生を持ち上げた。
●[9] @22/12/01◆お題:
カラオケ『指先に沈む夕陽やママの冬』凡人3位60点
添削後
『「再会」を絶唱ママの冬夕陽』
『「再会」を絶唱ママの冬夕焼』
季語は「冬」。巨人軍の宮崎キャンプに毎年行くが、そこのスナックのママを思い出して詠んだと述べる本人。ママの十八番の歌が松尾和子の『再会』で、ママがその歌の歌詞と同じ体験をしており、受刑者を待つ内容の歌詞を表現したと語った。ジュニア名人は「ママ」がスナックのママだと読み取れない、梅沢名人は歌の歌詞「沈む夕陽」が凡人表現で「沈まない夕陽があったら持ってこい」と鋭く指摘する。先生は二人の指摘に同意。年配のママが夕陽を見て座っているような感じに受け取れるため、歌の曲名を直接書いた方がスナックのママだと伝わると忠告。『再会』と鍵括弧をつけて曲名を入れ、熱を込めて歌うなら「絶唱」と添削した。語順も変えて、「冬夕陽(ふゆゆうひ)」または「冬夕焼(ふゆゆやけ)」のどちらかに季語を委ねた。度重なる添削の赤入れが続いたためか、本人は「人間性の全てを否定されたような感じですね」とショックを隠し切れなかった。
●[10] @23/06/15◆お題:
夏の夕『八十路夏蛍照らせし初デート』才能ナシ4位(最下位)20点
添削後
『君とゐて椿山荘の初蛍』
季語は「蛍」。かつて、東京の椿山荘(ちんざんそう)で今の妻と初めてデートをした時の思い出を詠んだ一句。「夏」と「蛍」の季重なりに気付かなかった失敗に触れ、自身で頬にビンタして眼鏡を動かしてしまう。春風亭昇吉は時間軸のずれ、梅沢名人が「蛍」とあれば「照らせし」が不要と指摘。先生は、季重なりは「蛍」の方が「夏」より思い出として大事だと述べ、「蛍」とあれば「照らせし」は不要だとも指摘。俳句の世界で恋愛の対象は「君」で表現され、結婚前の人物を回想ではなく現在時制で書く方法もあると指南し、時間軸の問題点にも触れる。上五は「君とゐて」で恋の空気、「椿山荘」で場所・ムードを出し、「初デート」ではなく「初蛍」で季語に初々しさを乗せることで場面を包む形に添削。過去の回想であることは読み手が想像できると解説した。初めての才能ナシとなった本人は「明日から世の中に出られませんね」と自虐的に反省した。
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