「プレバト!!」で披露された芸人・タレント 藤井隆の全俳句一覧です。
通常挑戦者 藤井隆(ふじいたかし) 合計9句
成績(2021年11月18日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ4回、
凡人2回、
才能ナシ3回
査定とは別に2018年度月間才能アリ№1俳句選出(5月)
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人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 才能アリ | 6の次7の菜の花漕ぐペダル |
2 | 凡人 | 手のひらの帰りのキップ潮の香り |
3 | 才能アリ | つる巻いてきょうの朝顔秋を巻く |
4 | 才能ナシ | 背くらべ山笑う子の卒業式 |
5 | 才能アリ | 夏ひかげ無音の波に足とまる |
6 | 才能アリ | 実家から持ち出すタオル選ぶ春 |
7 | 凡人 | ひねる手を待ってる蛇口の夏休み |
8 | 才能ナシ | 夏探し頬触れる風肩をすくめる |
9 | 才能ナシ | 七味かけ白菜漬けが歌衣装 |
▼人物紹介「プレバト!!」では俳句初挑戦1位と好成績を獲得。生け花査定でも才能が開花するなどマルチタレントとして活躍する人物である。初挑戦で1位を獲得した後、娘が喜んでくれたことも明かしている。
句の特徴は平易な季語と取り合わせる詩心溢れた表現力。特に着眼点が良い句が多く、短い言葉でコンパクトに場面を切り取れるセンスがよく褒められている。かな表記にも気を遣っている句が複数見られ、季重なりでの成功句もある。
当初は歳時記を買わずに挑戦してしまうなど、季語の扱いが雑な印象で、季語を入れずに凡人、季重なりで才能ナシに沈んでしまうこともあったが、才能アリを続けて取るなど、夏井先生も「基本的にセンスがあり、実力もある。素直な描写ができる」と才能を認めている。
自身を「大型ルーキー」と誇示しており、一斉昇格SPでは5位に終わるが、特待生になる日も遠くはないといえる。しかし、季語を勘違いして本人談後に才能ナシへの査定変更を通告されるなど、ここに来て失速している。
芸人であるゆえ、浜田の求めるリアクションに従わない独自のボケにツッコまれやすいものの、他の出演者ともよく絡んでおり、番組に真剣に取り組む様子も伝わってくる。
2年ぶりの出演となった9回目の挑戦も才能ナシに沈み、昭和の芸人らしいズッコケリアクションを見せた。
●[1]お題:菜の花と自転車
『6の次7の菜の花漕ぐペダル』才能アリ1位73点
添削なし
季語は「菜の花」。初登場1位が信じられない浜田から「作家おるな」と疑われるほどの力作。兼題写真の路面標示の数字が気になり、6の次である7の菜の花ステージを自転車が漕いで行くという前向きなイメージを詠んだ。梅沢名人は「素晴らしい、しゃれている」と絶賛するが、生け花特待生の紫吹から「名人さっき、"6"とか関係ないと言ってた」と痛いツッコミが入る。発想が軽やかで楽しい作品と評す先生は、数字で掛け声を上げてペダルを濃くのではと想像できる中七の言葉の展開と着地が良く、一発で覚えられる句を書けるのも1つの才能だと高評価。作者を見てビックリしたと評価される一方、浜田から「帰ったらギャラなんぼ渡すの?」といじられてしまった。
●[2]お題:海と駅
『手のひらの帰りのキップ潮の香り』凡人4位55点
添削後
『手のひらの帰りのキップ夏の潮』
兼題写真の駅のホームでベンチに座る一人の男性に着目し、彼が友達より先に早めに帰宅するため海から引き揚げ、「もっと海にいたかった」と思うと握りしめた切符から潮の香りがしたというエピソードを語った。特待生中田喜子から「季語がない」ことを指摘され、季語がないのは残念極まりないが上五中七が良いと語る先生は、短い言葉で状況が非常にコンパクトに切り取られており、最後のイメージの作り方も悪くないと解説し、季語「夏の潮」を入れることで、香りだけでなく光景も一緒に残り、その場所から離れる想いも生まれる句に添削した。先生から「基本的にセンスがある人。さっさと歳時記買って季語勉強しなさい」と容赦ないアドバイスを受けた。
●[3]お題:京都と朝顔
『つる巻いてきょうの朝顔秋を巻く』才能アリ1位70点
添削なし
秋の季語「朝顔」「秋」の季重なり。前回の無季の失敗を反省して挑んだが、1位の嬉しさのあまり句の内容を語らず浜田からツッコまれてしまう。夏の花である朝顔がぼんやり咲いていると思うが、そのツル自体は秋を少しずつ巻いていっているという様子を詠んだ句。先生は「巻く」という音の響きの配慮ができており、目の前に咲く朝顔が夏の季語ではなく秋の季語だと理解した瞬間に、朝顔が秋を巻くかのようだと感じたという率直な気持ちを詩の言葉として非常にコンパクトに打ち出している句と称賛し、「この方、素直なんですね」と感心した。さらに、「つる」「きょう」を平仮名表記にすることで、季語と「巻」のポイントだけを強調する効果も生みだし、この配慮もできていると褒めた。
●[4]お題:卒業式
『背くらべ山笑う子の卒業式』才能ナシ(最下位)5位25点
添削後
『山並のごとき背よ背よ卒業す』
季語は「山笑う」「卒業式」の季重なり。入学式では体育館の舞台の幅に全員が収まっていたが、卒業式では舞台の幅に入りきらないほど身体も成長して列が増えている様子を山が笑うほどという比喩表現で詠んだ一句。梅沢名人は「どこからこんな言葉持ってきたのか?季語2つ使うのは10年早い」と手厳しい。先生は状況や場面がわからないため、子どもの列が山並みのように見えたとわかるよう大幅に語順を入れ替える。「くらべ」は幼稚だと指摘し、見守る親御さんの気持ちが分かる句に添削し、「何でそんな所に座っている。力あるくせに」と最下位に納得がいかないが、本人は「今、秘蔵っ子だよ」と言われたとするも、「言ってない」と先生はきっぱり否定した。
●[5]お題:
新緑の鎌倉『夏ひかげ無音の波に足とまる』才能アリ1位71点
添削後
『夏ひかげ無音の波にとめる足』2018年5月月間才能アリNo.1俳句選出
季語は「夏ひかげ」。新緑が作る日陰に入った瞬間に、聞こえるはずがない波音が聞こえてハッとなったと語った。「なかなかお主やるな」と東国原名人。このような発想の飛ばし方に新鮮な驚きを感じると評す先生は、「海の音が聞こえる」「潮風が匂う」というベタな発想ではなく「無音の波」という言葉に詩があることを褒め、さらにポイントになる言葉だけを漢字にする表記の工夫も十二分に感じ取れると解説。自分が意思を持ってハッと足を止めたのではあれば、下五を逆にした方が足に軸足が移り印象深いと語順の添削をした。解説中から「テレコ(逆)でええ」と指摘する浜田を本人がツッコむが当の浜田は否定。「隠すんだ、そういうの。感受性隠すほうなんだ」と引き下がらず、浜田が苦笑いする羽目に。
●[6]お題:
春の引っ越し『実家から持ち出すタオル選ぶ春』才能アリ1位72点
添削なし
季語は「春」。初めての一人暮らしで買い忘れたタオルを実家から持ち出すときに選んでいたというエピソードを句にした。藤本名人は「日常の小さなあるあるを句にするのは難しい。そのセンスが良い」と指摘する。とても構成が面白いと評す先生は、「実家から持ち出す」という展開に良からぬことをしていると読み手に思わせるが、下五で引っ越しによる一人暮らしではとわかる書き方になっており、実体験を句にしてオリジナリティとリアリティが生みだした姿勢を評価。小さな部分に目を向ける能力は大したもんだと、4回目の才能アリを褒め称えた。
●[7]お題:
学校の蛇口『ひねる手を待ってる蛇口の夏休み』凡人5位63点
添削後
『ひねる手を待ってる夏休みの蛇口』
季語は「夏休み」。一斉昇格SPで5位に終わり、「ハズカシ~」と連呼してしまった一句は、兼題写真が寂しそうに見えて、夏休みで仕事のない蛇口の様子を描写。ジュニアは「擬人化の擬人化」と指摘し、梅沢名人は「素晴らしい」と同調。「擬人化に走りやすいお題だが、それを言おうとしても浜田さんが聞いてくれない」と笑いをとる。先生は「ジュニアの指摘が全て」と褒める。「ひねる手を待つ」で子どもたちがいないことを表現した意図は工夫であるが、「蛇口」を主体とする擬人化が2つあるのがくどいと指摘。後半の語順を変えるべきと指南し、浜田が即答。それを受けて、本人も「ジャ~グチ」とギャグで答え、先生は後半の2語を逆転させ、「蛇口の夏休み」という擬人化から「蛇口」に焦点が行く映像へと添削した。梅沢名人は「くどくてクサイ句。お前の芝居と一緒」と痛烈に所作をダメ出し。「ヒドすぎるんですけど!あいつ」と指差しで名人を批判し、浜田からも「それがクサイ」と返された。
●[8]お題:
夏の日光 ハイキング『夏探し頬触れる風肩をすくめる』才能ナシ5位(最下位)??点(得点発表なし)
※
凡人45点から本人談後に減点
※過去の減点例から30〜39点のいずれかの可能性大。判明時に修正。
添削後
『夏がゆく風か野を行く頬さやか』
「夏探し」を秋の季語と思い込み、先生の逆鱗に触れた一句。兼題写真が夏の日光よりかは秋の気配を感じると語り、秋の訪れを感じる風が吹く中、野山に夏を感じられる何かを探す意図を込めた。志らくは「秋が近いなら"夏深し"の間違いでは。混乱を招く」と鋭く指摘し、先生も「確認します」と強張った顔つきで上五を問うと、「秋の涼しげな様子を表現したかったなら、才能ナシです」と減点通告。「秋を表現したいなら全然アウト」とダメ出しし、夏が過ぎていった風を描写すべきで、「か」で自分に問いかけてカットを切り、「頬」「肩」と部位を2つ書く必要もないと指摘。場所を書かないと風の涼やかさが伝わらないと語り、秋の気分が伝わるように大幅に添削。先生は「~してる場合じゃない」と手厳しく赤ペンを入れ続け、3つの動詞を全て消し、「ゆく」のリフレインで整ったものの、一字の名詞3つだけが残る原型をとどめない添削に本人も笑うしかなく、「考えた時間を返してほしい。恥ずかしい」と反省した。
●[9]お題:
七味唐辛子『七味かけ白菜漬けが歌衣装』才能ナシ3位35点
添削後
『白菜漬けにかけて七味の華やかに』
季語は「白菜漬」。七味唐辛子を白い白菜漬けにパパッとかけて食べるのが好きで、紅白歌合戦の衣装を思い出させる華やかな食卓を詠んだ実体験だと語った。梅沢名人は下五の擬人化が陳腐だと指摘するが、「歌衣装」は歌うときに着る衣装だと答える本人。先生は、上五中七は極めて普通で下五でオリジナリティを出すかと思いきや、なんともつまらない擬人化が来る展開だと批判。擬人化で何かやったような気になるのは、才能ナシの1つの典型的なタイプだと述べる。高度なテクニックの擬人化に、初心者は手を出さない方が良いと忠告し、「白菜漬け」から始めるべきだと指南する。衣装が華やかであれば「華やかに」と描写し、臭い擬人化を回避することで凡人には入れると述べた。本人は「なんとか必死に華やかなステージを伝えたくて『歌衣装』としたが、今自分で読んでもくっさいなあ~と思って」と先生の言葉をなぞって反省するも、吉本新喜劇のような笑いをとった。
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